2009/12/11 11:30 | 言いたい放題 | コメント(7)
何か日本語がおかしくないか
「おかげ様で選挙に勝つことが出来ました」が正しい言い方のはずだが「勝たせていただきまして」なんてやっているから地元の選挙民の目線ばかりが気になって、肝心な国の利益や国策が疎かになってしまう。
政治家には「ポリティシャン」と「ステージマン」の二通りあるが、本来国会議員は地元の利益よりは国の利益を優先する「ステーツマン」であるべきなのだが、どいつもこいつも小粒になって「勝たせていただきまして」とへり下るポリティシャンばかり。
選挙民も選挙民で本来なら地元になんか帰ってくるな、国会に留まって国のために働けと励ますのが、正しい国会議員への応援だと思うのだが、地元に顔を出し盆踊りを一緒に踊らなければ、次の選挙で落とすぞと脅す手合いが多い。
だから今回の事業仕分けの場では国益はそっちのけで、ぎゃあぎゃあ騒いでいるのは役人の無駄使いと天下りの追求という、まるで儲かるのか損するのかと言ったレベルの騒ぎになる。
もし採算がとれる事業ならさっさと民間に渡し、民間ではとても出来ない教育、文化、芸術そして未来への技術開発など将来への投資を行うのが国の役目だろう。それでもスパコンやオーケーストラに国の予算を出すのが厭というなら、民間からどしどし寄付を募り、そして全金額所得なり資産から控除すればいい。税収は減るだろうが将来の国のためにはその方が余程役に立つはず。
狭い日本国内ばかりで物ごとを判断するからそうなる。いまや日本の若い音楽家たちは日本では喰えずに海外でしか活躍出来ないのはおかしいのではないか。一流オーケストラのメンバーにやっとなれても、年収400万では文化国家とはとても言えまい。
ノーベル賞の受賞者たちや小澤征爾さんたち音楽家が怒り狂うはずである。これも「〜させていただきまして」という変に大衆に媚びる政治の姿勢がもたらした大弊害だろう。
こんなことをしているうちに、海外で賞を実力で獲る自信のある有能な人材は、みんな海外へ流出してしまうのではないか。
観光立国を目指すそうだが、古典的な伝統芸を育てずして、海外からの観光客に何を見せるつもりだ。ツーバイ フォーだらけの安物の家が並ぶ町並みを見に来る外国人がいるとはとても思えない。
税金の無駄使いはよく判った。それなら国民が自分で好きな文化や科学を応援できるような税制にすることだ。そうすれば学者や芸術家たちも「応援して下さったおかげで」となるだろう。これが正しい日本語の使い方であり、日本語すら正しく使えないポリティシャンにこれ以上この国を引っかき回して欲しくない。いまの自分の地位は自力で勝ち取ったくらいのプライドを持つのがステーツマンである。
吉田茂など昔の政治家はそれなりに気骨があったものだ。ちんぴらタレントと同じように「〜させていただきまして」とか「図らずも総理にさせていただきまして」なんて妙に国民に媚びる政治家はいなかった。正しいと思ったらたとえ百万を敵に回しても、信じた道を貫くのが国民の生命を預るステーツマンの仕事のはずである。まず言葉の重みを知ることだ。
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7 comments on “何か日本語がおかしくないか”
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代々江戸っ子のダチがいて、
そいつの喋りは、日常茶飯事の言葉とは別物だ、江戸の水で磨いた言葉だが、
そいつは
『爺さんが喋った江戸弁を、俺は喋れない、別物だ』
と言う。
マーク・ゲインだと思うが、
戦後の日本人は貧しかったが品があった、
と書いていた。書かれた時代より、我等は数段豊かになったが、品は戻らなかった。
おかしくなったのは、言葉や我等だけではない・・徒然草で罪人を結ぶ縄の打ち方を知る人はない・・と兼好さまも書かれたから・・久しいか・・ずいぶん時間が経ったか。
まぁ、我等は宰相様の桜吹雪を拝見する以外ないか。
この「何々”させて”又は”して”頂いて”」という言葉遣いがとても気になっています。というか、私はこれを言われるとむかっとします。三原御大と違って、次元が低い場面でなのですが。これは、発話者は希望を述べたにすぎず、許可するのは相手であって私(発話者)は何ら強制をしていません:あなたが選択し許可した行為をやっているにすぎませんという、つまり、選択の責任を相手に押し付けるいやらしい言い方だと思います。本来なら「何々して下さい」と自分が求める行為を明確に相手に表現しなければならないのに、です。
「…させて頂く」という言い回しに自分を小馬鹿にされたように感じていましたので、今回のテーマに激しく同意します。何時頃からこんな言葉を政治家が喋り出したのですかネ。特に若手に多いように感じます。表面的に遜っている様なこの言葉を聴くと虫唾が走ります。
「国民目線」って言い出したのは福田だったか。
マスコミの責任は大きいと思う。
良かれ悪しかれ、読者に大きな影響を与えているのは事実。
政治家がおかしな言葉を使い出したら、たしなめるべき。
マスコミには広告出稿する企業があるわけで、ひるがえって企業にも責任。
企業には経営者。
したがって国民。
堂々巡りだが、戦争を肌で知らない世代が鈍感。
やはり、この国は、芯を抜かれているのではないか。
米軍出て行けは結構だが、中国に擦り寄り、亡国。
「○○させて頂く」というのは、近江などの商人の言い方であり、浄土真宗の宗教教義が語源です。中国・近畿・北陸地方など真宗の威勢が強かった地方では普通に使われますが、他の地域では違和感があるかもしれません。
ちなみに、「御蔭で○○できました。」という言葉は、これらの地域では人に対しては基本的には使いません。「阿弥陀さまのおかげで」など宗教的な縁が或る場合だけです。
私も地方の人間ですが、地方に行くほど「地域の代表を送り込む」という意識が強いようですね、中央が権限を握って放さない、という要因もありますが・・って地方分権も政治家の仕事ですが。
国政選挙は地方選挙とはっきり区別して制度の再構築が必要な気がします、ネズミ講じゃあるまいし永遠にクレクレスパイラルの利権政治をやってる訳にもいかんでしょうし。
「〜させていただきまして」だとWE CANのオバマフィーバーを横目に他力本願でYUO CANて感じで多少情けなさ気で、案外この辺がクレクレスパイラルの元凶かもしれませんね?
ん?利権誘導のパイを確保する為に、わざと地方分権しなかったのでは?マッチポンプ?
単に政治家も含め、日本人の日本語能力が落ちてきているだけのような気もします(笑)
とりあえず「〜させていただく」と言っておけば丁寧な発言のように聞こえますから・・・