2006/06/12 00:00 | 言いたい放題 | コメント(0)
三つのC
若い時には邦銀の為替とレーダーとして、シンガポール時代には「マッド ドック」の名前で呼ばれたほどの豪腕。
数々の修羅場も経験されているとあって、非常時には極めて的確なコメントが期待出来る。その若林さんがうまい具合にNYからいま日本に滞在中であり、早速先週の日経CNBCの「マーケット トーク」にご出演いただいた。相変わらず歯に衣着せぬ痛快なコメントばかりとなったが、なかでも印象深かったのが「三つのC」。不幸にして番組を見損なわれた方々のために要旨をご紹介しよう。まず初めのCは「COMPLACENCY」、これは安心、思い上がり、自己満足のこと、そして次のCは「CONCERN」、懸念や心配である。最後のCは「CAPITULATION」、降伏するという意味であるが、この三つのCをいまの日本の投資家心理に当てはめると、将にピッタシである。昨年来の上昇相場ではデイトレーダーをはじめ初心者までも連戦連勝の状態が続き、そのためいい加減な本が書店に山積みされ、そんなインチキ指南書に誘われて市場に参加しても面白いように儲かった。
あちらこちらで株で儲けた話しがごく当り前に聞かれるようになり、日本中が浮かれていたのである。まず儲けて安心し、儲けが続いたら今度は思い上がり、真面目に働くのが馬鹿みたいに見えた輩も多いだろう。
自分は株の天才だと自惚れたところが、世の中そんなに甘くはない。まるで飛行中の飛行機のなかでシートベルトを外してドンチャン騒ぎをしている最中に、猛烈な乱気流に巻き込まれ怪我人続出という相場になった。
信用取引の追証に次ぐ追証で懸念や心配で夜も眠れなくなった。
そのため市場は大きく上下にぶれながら、高値から大きく下げることになった。
さて問題はこの先どうなるかだが、本当の意味で大底をつけるにはCAPITULATIONの状態が来なければ本格反騰はないだろうというのが若林さんのご託宣である。
もう株はこりごり、株のことなど聞きたくも考えたくもないと、多くの人が思い始めるところが本当は安心して買える場面となるというのが若林説である。
照る日もあれば曇る日もある。土砂降りに対してどう対応するか、いまは雨宿りの時なのだろう。
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