2003/02/19 00:00 | 言いたい放題 | コメント(0)
金持ちの味方、個人向け国債
自宅に置けば強盗に狙われるし、さりとて預貯金では金利はゼロ、ならば個人向け国債でも買っておくかと考えた資産家が多いのだろう。 初の個人向け国債は即日完売となった。 聞けばかなりまとまった金額で買った人が多かったとか、富は集まるところにしか集まらないらしい。 合理的に考えればわずか0.09%の利子で、しかも途中で売却すればその年の金利はゼロでしかない国債など誰が買うのだろうと考えたくなるのだが、いまはデフレの世の中、現金で持っているだけでも価値は上がるのだから、元本が保障されて金利も貰えるならそれで充分。 待っていれば家も土地もまだまだ安くなるのだからと考えるのが金持ちなのだろう。
デフレは物価が下がるので一見誰にもメリットがあるように思えるのだろうが、本当にメリットを受けるのは何もせずにじっと大金を眠らせている金持ちなのである。 賃金カットの恐怖にさらされているサラリーマンにとっては、多少の物価の値下がりではとてもメリットどころではあるまい。 いまは国債を1000万円単位で買える人たちだけが、デフレの恩恵に浴しているのである。 何ともおかしな世の中ではある。 加えて厄介なことはいまの日本は物価のデフレと資産のデフレと二つが複合して起きていることである。
資産デフレは企業や金融機関のバランスシートをガタガタにしているため、企業や金融機関はその修復に追われ賃下げや人員整理といったリストラに走る。
そのツケはサラリーマンの所得を減少させるので消費は低迷し、売上げ減は企業の収益をさらに悪化させるために更なるリストラをせざるを得なくなる。 とどのつまりは経済の縮小となってデフレ化はますます進む。
そして得をするのはリスクもとらず何もしないキャッシュリッチの金持ちだけとなる。
この日本の現状がハッキリ現れたのが個人向け国債の即日完売なのである。
だからといってぼやいていても仕方がない。 この際小金持ちとしては3月決算の配当取り作戦で対抗するのも一法である。
幸いインターネットや投資雑誌もそこに目をつけ、高配当や株主優遇の利用法について詳しい情報を提供しはじめている。
千里の道も一歩からとか。 情報をうまく利用して手堅く配当取り作戦で国債派と張り合おうではないか。
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