2009/08/06 00:00 | 言いたい放題 | コメント(0)
戦後64年
その反省をそろそろしてもいいころだろう。戦前の日本にも大正時代には第一次大戦で戦勝国となりチンタオ(青島)やパラオなど南洋の島々を委託統治し、国内は大正デモクラシーで高等遊民などが出てきて文学や文芸、演劇もそれは華やかなものだったらしい。
フリー、フェァ、大正版グローバルな時代だったといえるだろう。強い円のおかげでヨーロッパには日本の金持ちが大挙出かけて美術品を凄い勢いで買ったりもしていた.(松方コレクションなど)人間のぼせ上がるとろくなことはない。
戦争に負けるはずが無いという根拠のない自信のもとで始めたのが中国との戦争である。結果とし泥沼に嵌り、本当は戦争なのに事変と言い換えて戦争ではないと強弁し、反戦派を非国民と極めつけ問答無用で言論を封殺した挙句世界を敵に回してしまった。
国際連盟から日本を脱退させたのも国民の世論であり、この脱退を国民は熱烈に支援したのである。勿論こんな無謀な賭けに反対した人がいないわけではない。吉田茂元首相などは国際派だったので当然猛反対して特高警察の厄介になっているし、山本五十六元帥なども反対して更迭されている。
いまの日本もどこかいつか来た道を、再び歩き始めているのではないだろうか。戦後の高度成長があまりにも素晴らしかったのも、今となっては大正デモクラシー時代みたいなもので「あのころは良かった」として現状を暗くしか見ないし、ただ懐かしがるだけで自分では動こうとしない。
加えて先を読めば明るい未来が待っているようにも思えない。いまのところは取り敢えず喰ってはいけるので、自分では動こうとはしないが、頑張っている人に対しては金持ちは怪しからんと冷ややかな目で見る。俺は何もしなくても国が何とかしてくれるだろう、誰かがいい知恵を出してくるだろうなどと虫のいいことしか考えない。
大正時代もバブルにも似た馬鹿騒ぎが一転して折からの世界大恐慌で大不況になるとその後始末を政府に投げてしまい、結果として金持ちたちのやりたい放題に怒り狂っていた軍部の台頭を招き、無謀な戦争に走ってしまう。今は平和ボケしているから軍部に変わって官僚が勢力を伸ばしてきているが、これとてライブドアのオニーちゃんたちのやりたい放題を見せつけられると、不況を幸いにいまこそ俺たちの出番と彼らが出てくるのは当然だろう。
何せ民間は何とかしてくれとすぐ泣きついて来るのだから、軍部と官僚の違いはあっても、国民性は一向に変わっていない。賢者は歴史に学び、愚者は体験に学ぶとか。
戦前をすべて悪と否定し深く考えることなく、アメリカに押し付けられた民主主義を無邪気に信じるのもここらで一回考え直すのも一法だろう。
どこの国でも自由を勝ち取るには国民が大変な血を流している。負けた途端に突然天から降ってきたアメリカン デモクラシーとやらを無条件に(戦争に負けアメリカが日本をデモクラシーの実験場にしたかったのである)何も考えずに受け入れたために、権利と義務、自由と責任について本来のあり方を考えることもせずにいいと取り入れてしまったようだ。
もうそろそろ日本式デモクラシーの越し方を振り返ってみてもいいのではないだろうか。権利は結構だが権利ばかりを振り回した結果、親はいらんけど遺産は欲しいという子が増え、日本の美徳だった親孝行や大家族は消えてしまい、老後は国が面倒みろという制度のおかげで老人ホームは姥捨て山と化し、介護も国任せだから現場は善意のボランティアが居なくなればたちまち阿鼻叫喚の場になるだろう。
だから子供まで老後の心配をするという変な国になっているのだが、それでもまだ懲りず国はばら撒くことしか考えていない。きっとそうすれば国民を骨抜きに出来るし、考えなくなると支配もしやすいと昭和の軍部と同じことを狙っているのかもしれない。
税収が40兆円で支出が110兆円なんて歪なことが永遠に出来るはずもない。過去の良かった記憶にすがり現実や未来の暗い面ばかりを感情的に見るのではなく、暗いならどうすれば変えられるのかをしっかり頭に入れて、税金の使い道を決めるのにもっともふさわしい人や、国を本気で変えたいと頑張る人を選ぼうではないか。
この期に及んでの財源論などまるで茶番でしかない。もうとっくに破綻している。
「きれいな男にゃ罠がある、きれいな女にゃ棘がある」という歌が流行ったのは大正の時代である。歴史は繰り返すのだろうか?
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