2008/03/27 00:00 | 言いたい放題 | コメント(0)
災難を未然に防ぐ
歴史にIFはつきものだが、もし彼があの時蛮勇を振るって断行していたら、世論の袋叩きに会って国賊呼ばわれされ、内閣は倒れたかも知れないが、少なくともその後の失われた十年は大いに短縮されていたに違いない。
しかし残念ながら秀才過ぎるほどの秀才にとって、それはプライドが大いに傷つくことであり耐えられなかった。いわゆる秀才の限界である。
いまの日本も状況は異なるが、リーダーもしくはブレーンたちの決断待ちという点では同じだろう。世界は既に大きく変わっているなかで、誰が考えても34年も続けてきた暫定税率を、そのまま10年も延長するなんて話が通るわけがない。それを無理に無理を重ねて通したとしても、後世で物笑いのタネになるだけだろう。
34年前の日本といまとでは、国内も大きく変わっているが、その変わりようが足りない。変わっていないからこそ国際的な地位は落ち続けているのである。
心ある政治家や役人は絶対気がついているはずなのに、誰もそれを言い出せないとしたら、これこそ反国家的な行為であり不作為の罪として後世に悔いを残す人生になるはずである。
戦時中は挺身という言葉がよく使われた。
これは身を以って国を守るという意味だが、世のため、人のため我が身を捨ててことに当ってこそ、災難を未然に防げるのである。それが選良や(もう死語か)官僚の役目ではなかったのか。日本語がおかしくなって久しいが、もはや死語となった感のあるこうした言葉を、子供たちの教育を云々する前に、しっかり噛みしめてやるべきことをきちんと身を捨ててやる気概を政治家や官僚にいまいちど思い起こして貰いたい。いま日本の喫緊の課題は増える老人、劣化する介護の早急な改善だろう。楢山節考(深沢七郎著)が現実になりはじめているから、子供たちが自暴自棄な行動に走るのである。道路はもういい。もっと現実を直視することだ。
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