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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2004/06/25 00:00  | 言いたい放題 |  コメント(0)

何をする気なのか竹中平蔵氏


もともと学者としての評判よりテレビでよくしゃべるコメンテーターとして、それも時の流れをうまくつかむことで定評があったのだが、その才を小渕首相に買われて財政諮問会議の委員に登用された。その時の経済財政担当大臣が堺屋太一氏である。その堺屋氏が小泉政権となって辞任した後の大臣になったのが竹中氏だが、当初はもとの経済企画庁長官、いまの経済、財政担当大臣として就任、たちまち柳沢金融担当大臣とそりが合わなくなり、どうしたことかそのポストまで奪ってしまい、いまや二つの大臣を兼務している。大した才能(?)である。この人は住専問題の時は公的資金投入には反対していたはずなのだが、世間の忘れっぽさもあっていまや公的資金投入を武器に、銀行相手にやりたい放題といっていいほど公的資金をうまく利用し猛威を振るっているのはご案内の通りである。

かの植草元教授も巷の噂では、竹中さんが大臣になれるのなら政権が変れば今度は俺の番、それには大学教授になっておく方がいいと、さる自民党の有力者にそそのかされ本人もかなりその気になっていたらしい。TVで人気が出れば誰でも大臣になれそうな気にさせた竹中さんも罪なことをしたものだ。
その昔は「末は博士か大臣か」と言われたほど大臣の椅子の重みはあったものだが、いまや誰でもなれる軽量大臣ばかりを作りだしたのが小泉さんは、子供の夢まで軽んじてしまった。

さてその竹中さんが今度は参院選に奥方の猛反対を押し切って出馬することになった。
真偽のほどは不明だが郵政改革担当大臣として本格的に腰を据えるためには、やはり政治家にならなければと考えたようだ。
にこやかな童顔とよく回る口、テレビで顔もしっかり売っているのでその集票力を買われての出馬だろうが、もしいまの二つの大臣のポストに加えて郵政改革担当大臣にでもなれば日本の経済・金融の権力を全て一人で握ることになる。もちろんこの国を21世紀を通して堂々たる金融大国にするという確固たる信念と政策があれば、それなりに国民にとっても結構なことであるが、今回の景気回復も自分の努力によるものなどと勝手に都合よく解決しているふしもあり、定まった軸足が見えないのが不安である。世渡りの手腕だけは大したものでいまや金融庁の誇り高き役人たちも大臣のいいなりとか。万がいち100万票以上も獲得すれば向かうところ敵なしとなってしまう。ここは彼の次の一手よりも今度の選挙での国民の次の一手の方がより大切になってきた。

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