2003/12/19 00:00 | 言いたい放題 | コメント(0)
フセイン捕まる、さて’04年は
彼の生死が定まらない間は市場にも一抹の不安が常に漂っていたが、捕まったことで各国の市場は取り敢えずは好感するだろう。
実際に東京市場も好感して始まったし、ブッシュ再選への大きな支援材料となったNY市場も安心するのは頷ける。
世界を覆っていたリスク要因のひとつが取り除かれ、泥沼化していたイラク問題に明るさが出てくれば、投資家のマインドも明るくなってくるのは確かである。
最近の東京市場は米国経済の来年の見通しが不透明さを増しているために、やや方向感を失っていたこともあって思わぬ干天の慈雨となったが、問題はフセイン捕捉効果の持続性である。アメリカ経済に関しては当のアメリカが楽観的でNYダウが1万ドルを回復する一方で、日本や欧州ではそこまでの楽観論は聞かれないし、むしろ懐疑的な見方の方が多い。経常収支と財政の双子の赤字の行方、大減税効果の出尽くしなどに’04年の米経済がどの程度の成長が期待出来るのかを考えると、底抜けに楽観出来ないと考えたくもなるだろう。ブッシュ大統領の人気にも陰りが出ていた折でもあり、フセイン元大統領が捕まったことは、取り敢えず米国への不信感を払拭させる市場への大きなクリスマスプレゼントとなった。
フセインが捕まったことによりむしろテロが激化するという見方と、逆に沈静化するという見方に分かれているが、フセイン残党の勢力は着実に衰えていくだろうし、フセイン復活懸念が一掃されたことによるイラクの民心を安定化させるだろう効果の方を市場は評価するのではないだろうか。
今後の市場はフセイン懸念がなくなったいま、地政学的リスクが薄れていくなかでのベストシナリオを探る展開になるだろう。
さてそこで2004年のキーワードだが、2003年が世界的な金融緩和による大量のカネが株式市場に流れ込み、市場の水準を一気に高めカネの量が要因だった年とすれば、2004年は企業の質が問われる年になるのではないだろうか。
デフレ懸念やイラク問題、金融システム不安などで極端な安値に売られ込まれていた市場の水準訂正が一段落したいま、2004年の物色対象となる中心銘柄は将来の成長が期待できるものに絞られてくる、いわゆる企業の本質を買う業績相場に移るだろう。「量」から「質」が重視される相場になる可能性が強い。
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