2011/05/12 05:36 | 昨日の出来事から | コメント(1)
ウィキリークス創設者に人権「金メダル」
今、オーストラリアでは、ちょっと“難儀な問題”で世論が割れています。
5月10日にシドニーのNPO(非営利団体)「シドニー平和財団」が、内部文書公開サイト「ウィキリークス」の創始者ジュリアン・アサンジ容疑者に対して、「人権を追い求める強い勇気」を称して金メダルを授与しました。
この団体は、過去に金メダルをチベットのダライ=ラマ氏、南アフリカのネルソン=マンデラ氏に与えられており、その受賞の理由が「長期に亘る政府の秘密主義に挑戦し、人々の知る権利を擁護している」としています。
彼は、オーストラリアでは「クイーンズ ランド出身のコンピューター オタクの元ハッカー」と蔑まれた表現をされ、御存じのように現在はスエーデンでの性犯罪容疑で逮捕されて保釈中であり、アメリカ政府を始めとする情報を漏洩された世界主要国から目の敵にされ、アメリカと同盟関係にあるオーストラリア政府は、一時は彼のパスポートを没収し、彼を政治犯として逮捕する事を検討しましたが、ここに来てその対応がウヤムヤです。
民間のNPOの表彰授与などを一々ニュースとして取り扱っていられないのか、豪国内の国営放送ABCは、これに関連する放送はありませんし、各種全国紙も今のところ無視を装っています。 また、オーストラリア政府も、自分たちの機密情報を暴くような彼を英雄扱いにする訳にも行かず、その対応に苦慮しているのが現状のようです。
さて、当の本人は、最近、ウォール ストリート ジャーナルなど他の新聞でも同じような内部告発サイトを開設しようとしている動きに関して「アメリカのウォール ストリート紙も、オーストラリアのオーストラリアン紙も、イギリスのサン紙もマードック系の新聞(オーストラリア出身の世界の新聞王マードック氏の経営する新聞)であり、内部告発者は我々のウィキリークス以外には告発しないであろう」と強気の発言をしています。
そして、今、オーストラリアで意見の割れている主な点は、次のようなものです。
(1) アサンジ容疑者は、あくまでも各国政府の機密情報を暴いては金を稼ぐ元ハッカーにすぎないのか?それとも、今や、彼は人々の知る権利を代表する英雄なのか?
(2) そもそもウィキリークスは、ジャーナリズムか?
読者の皆様は、いかがお考えですか?
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陸のグリンピース・・でしょう・!・