2017/09/08 05:31 | 昨日の出来事から | コメント(0)
投資に関する男女の違い
先週号の英誌エコノミストに掲題に関する記事がありましたのでご紹介したいと思います。
金融市場において、女性の多くは(熱狂している)トレーディング フロアに対して正常な気持ちを注入するであろうか?この質問は、2007~2008年の金融危機以降、しばしば取り沙汰されてきた。 当時はフランス財務大臣であり、現在、IMFの専務理事であるChrisine Lagarde女史は、(女性がもっとトレードしていたならば)、当時の歴史(2007~2008年の金融危機)はもっと違ったものになっただろうと機の効いたことを言っている。 そして多くの研究もこうした考えを支持している。つまり、男性ホルモンを持って男性は、自分のトレーディングを過信する傾向があり、反対に、女性は自分のトレーディングに関して慎重である傾向がある。
しかし、物事はそう単純ではない。最近、出てきた研究では、西側の女性に対してはこれが当てはまる。 中国のCenatral South 大学のWang Jianxin氏と、Goerge Mason 大学のDaniel Houser氏、そしてBeijin Normal 大学のXu Hui氏が行った実験では、中国のマーケットにおいて、女性は男性と同じくらい 男っぽいことが分かった。
このエコノミストたちは、342人の学生に対して実験的なマーケットを提供した。学生たちは配当のある株と、現金の替わるとなるトークンが与えられ、男女の性別の違いによる15回の実験が行われた。参加者は、理論的な株式のフェア バリューがどんな状況でも自分で計算できることになっていたが、実際にそれを計算した学生はほとんどいなかった。
アメリカの学生に対しては、過去に得られた結果と同じ検証結果を得た。男性グループだけがトレーディングするとすぐさまバブルが起こり、その後、バブルが崩壊した。 一方で、アメリカの女性だけのグループだけがトレーディングすると、バブル発生にはかなりの時間がかかった。 中国の男性だけのグループだけがトレーディングすると、アメリカの男性だけのグループと同じ結果が出た。 そして、中国の女性だけのグループだけでトレーディングすると、なんとり男性と同様にすぐさまバブルが生じた。
当選のことながら、「これは実験であって実際にマーケット行動とは違う」との批判が起こるであろう。 しかし、こうした実験方法は、投資行動を研究する上でかなり長期に亘り行われてきた(今回だけの実験ではない)。不思議なことに、(中国では)女性が、中国のマーケットの熱狂(バブル)の一端を担っていた。確かに、トレーディング フロアには日計りをする多くの年配の人々で溢れ返り、白髪交じりの女性が男性と一緒になって陣取っている。過去2年において、一連のオンライン投資のスキーム崩壊した後も、彼女たちは株価下落に抵抗する先頭に立ってきた。
しばしば男性同士で議論に上がることであるが、何故、中国女性は、それほどまでに大胆であり、向こう見ずなのであろうか? ある研究では、中国共産党政策が男女平等を推進しているからであると言っている。しかし、実際の処、中国女性は金融市場において恐ろしいまでに評価されていない。中国が本当に非合理的な陶酔の中で(バブルの中で)、男女が本当に平等なのかどうかは、唯一、現在の体制が変わった時、初めてそれを確かめることが出来るのかもしれない。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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