プロが語る世界情勢・政治・経済金融の最前線!

The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2011/10/19 05:32  | 昨日の出来事から |  コメント(0)

豪、10月のRBA理事会議事録から


おはようございます。

昨日、今月4日に開催されたRBA理事会の議事録が公開され、主な内容は以下の通りです。

(1) 労働市場はここにきてやや緩んできており、労働コストの加速的な上昇はなくなってきている。
(2) 理事会としては、更なるインフレデータを確認した上で、我々の金利政策は、景気を下支える手段となりうることを確認した。 (ここでいうところの更なるインフレータとは、来週に発表される第3四半期のインフレ率を示し、それ次第では11月の理事会で政策金利を引き下げる可能性を示唆しています)。

ダウジョーンズが豪の20名のエコノミストにヒアリングを行ったところ、来週の第3四半期のインフレ率は、第2四半期に比べてプラス0.7%が予想の中心で、これを受けて11月1日のRBA理事会で政策金利を引き下げる可能性については「五分五分」と見方が大きく割れています(と言いますか、これでは、どちらとも判断がつかないというべきか)。

マコーリー証券では、政策金利の見通しを、当初は2012年の2月に0.25%の引き下げを見込んでいましたが、ここにきて11月に引き下げる予測に変更しています。 また、ゴールドマン サックスでは、11月に0.25%の政策金利引き下げと、12月に更なる政策金利の引き下げを予想しています(背景には、12月の理事会後は、2012年2月まで開催されないことがあります)。

また、これはテクニカル的な要素が多いのですが、最近、ABS(オーストラリア統計局)は、インフレデータに関するウエイトの見直しを発表し、それによれば、これまで発表されていた数字よりもインフレ率がやや低くなる傾向になり、年率のコアインフレ率も2.25%〜2.5%とそれまでの2.5%〜2.75%よりも低くなることが見込まれ、RBAとしては政策金利を引き下げやすい環境が整うとの見方が出ています。

クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
現在有料版にはお申し込みいただけませんのでご了承ください。

当社に無断で複製または転送することは、著作権の侵害にあたります。民法の損害賠償責任に問われ、著作権法第119条により罰せられますのでご注意ください。

コメントを書く

* が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

いただいたコメントは、チェックしたのち公開されますので、すぐには表示されません。
ご了承のうえ、ご利用ください。