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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2016/12/16 05:20  | 昨日の出来事から |  コメント(0)

豪、11月の失業率は0.1%上昇


おはようございます。

昨日、 ABS(オーストラリア統局)が発表した11月の豪の失業率は前月比0.1%上昇して5.7%でした。 一方で、新規雇用者数は季節調整後で+39,100人と、事前の市場関係者の予想であった17,500人を大きく上回りました。 また、内訳としては、正規雇用が39,300人増加し、非正規雇用は200人減少していることも市場関係者を驚かせました。 また、労働参加率は0.2%上昇して64.6%となっています。

地域別では、自動車等の製造業の多い南オーストラリアが7%で前月と変わらず最も高く、その他のヴィクトリア州、クイーンズランド州、西オスとラリア州では失業率は前月比上昇しました。 その一方でシドニーのあるNSW州は4.9%と最も低く、前月比では変わりませんでした。

ABSのBruce Hockman氏は「不完全雇用(非正規雇用)の多さが引き続き懸念されるが、今回、正規雇用が増加したことで、不完全雇用は0.4%改善して2年ぶりに低い8.3%となり、この2年間では殆ど変らない」とコメントしています。

Capital Economics のオーストラリア経済担当チーフ Paul Dales氏は
(1) 今回、不完全雇用が減少した事は、過剰労働供給がほぼ吸収されたことを意味するが、我々の試算では、豪の不完全雇用の解消には2年程度かかると予想していた。

(2) 何よりも、11月の雇用統計では、新規雇用者数が大幅に増加したことが驚きに値し、過去2か月間の減少傾向から増加に転じてきた。

(3) しかし、今回の数字は、“疑わしい程、高い数字”であり、 この数字は、先月の“疑わしい程、弱い数字”の後に出てきたことに注意を払うべきである(2015年10月以来、ABSが豪の雇用統計の集計手法を変更して以来、統計に対する信頼性を失っている事を皮肉な言い方で表現しています)。

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