2016/12/08 05:06 | 昨日の出来事から | コメント(0)
豪、第3四半期のGDPは-0.5%
昨日、ABS(オーストラリア統計局)が発表した2016年第3四半期のGDPは季節調整後で前期比-0.5%となり、年率換算では-1.8%でした。 事前の市場関係者の予想は前期比+0.1%で前年同期比では+2.2%でしたので予想よりも悪い数字に市場では驚きをもって捉えられました。 尚、ABSは第2四半期のGDPを+0.6%に上方修正する一方で、前年同期比を前回発表時の+3.3%から+3.1%に下方修正しています。
これを受けて為替市場では、豪ドルが他通貨対比で売られ、対米ドルでは発表前の0.74ドル後半から0.74ドル台前半まで売られました。
内訳としては、政府などの公共投資が0.5%減少し、民間の設備投資も0.3%減少しました。 その中にあって、最も景気の足を引っ張ったのは建築産業で、前期比で3.6%減少しています。 一方で、今年は穀物などの農作物が豊作であったことから農業部門が7.5%増加し、鉱山部門も世界的な商品価格の回復を受けて前期比4.5%改善しています。
もし来年2月に発表される2016年第4四半期のGDPが再びマイナス成長になると2期続けてマイナス成長となり、豪経済は25年ぶりにリセッション(景気後退期)に入ることになりますが、市場関係者はそれほど悲観的に見ていません。
Capital Economicsの豪経済担当のチーフ エコノミストPaul Dales.氏は
(1) 第3四半期のGDPはマイナス成長になったが、景気後退判断の分かれ目である第4四半期のGDPがマイナス成長になるとは考えていない。その理由の一つに第4四半期に入って小売売上が前月比+0.5%と好調で、最終的には個人所得を押し上げる事が予想されるからである。
(2) 今回は5年ぶりに四半期ベースでGDPがマイナスになったが、今後も低いインフレ率の下、低成長が続くことが予想される。従ってもう一段の金融面からの下支えが必要となり、我々の予想では、政策金利は来年にかけて現在の1.5%から1%まで低下し、為替市場では豪ドルが対米ドルで0.70ドル程度まで下落すると予想している。
とコメントしています。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
現在有料版にはお申し込みいただけませんのでご了承ください。
当社に無断で複製または転送することは、著作権の侵害にあたります。民法の損害賠償責任に問われ、著作権法第119条により罰せられますのでご注意ください。
いただいたコメントは、チェックしたのち公開されますので、すぐには表示されません。
ご了承のうえ、ご利用ください。