2016/10/21 05:23 | 昨日の出来事から | コメント(0)
豪、9月の失業率は5.6%に低下
昨日、ABS(オーストラリア統計局)が発表した9月の豪の失業率は5.6%と3年ぶりに低い水準となりました。事前の市場関係者の予想は5.7%でしたので数字自体は予想よりも良かった形になっています。 しかし、内容的には、雇用者数が9,800人減少し(事前の市場関係者の予想は+15,000人)、その内訳として、正規雇用が53,000人減少し、非正規雇用が43,200人増加しており、数字ほどいいものではありません。
また、労働参加率も64.5%と前月比0.2%上昇していますが、これも職探しを諦めた人が増えたために上昇した結果であり、やはりこれも内容的にはいいものではありません。
Capital Economics のオーストラリア経済担当チーフ Paul Dales氏は
(1) 今回の数字を2つの理由から、そのまま鵜呑みに出来ないと考えている。 一つは非正規雇用の増加によって失業率が低下した要因の一つは、8月に行われて国勢調査の関係で雇用された人がかなり含まれている。
(2) 2つ目の理由として、ABSも指摘しているように、サンプルの取り方を変えたために、例えば、クイーンズンド州の失業率の実態が、同じ州内の他の地域とかなり違っている(雇用統計が実態よりもいい数字になっている)。
(3) 実際の雇用者数は、4月の+2.1%の増加から9月は;1.4%の増加に留まっており、将来的に失業率が上昇に転じる可能性がある。
(4) 結果として、RBAは、豪の労働市場の現状を「まだら模様(Mixed)」と判断するだろうが、足元の数字からは「労働市場が強まっているというよりも弱まっている」と考えるであろう。
とコメントしています。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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