読者の皆様におかれましてはどんな新年をお迎えでしたでしょうか。
そして新春の初夢はどんな夢をご覧になりましでしょうか。

私は、例年は長野の自宅で新年を迎えるのですが、今年は、訳あって昨年の東日本大震災の傷跡がまだ残る仙台の親戚の家で新年を迎えました。　震災後の復興から立ち直った家や企業がある一方で、家族や家を失って、未だ、元の暮らしに戻る見通しすら立たない人や企業も多くあり、その意味では、２０１１年は、地域あるいは個人ベースで大きく格差が出来てしまった年であった事を改めて思い知りました。

そんな中、年末恒例の紅白歌合戦を途中まで見ていたのですが、その番組の構成にうんざりして次第に嫌悪感すら覚えて見るのをやめました。　といいますのも、これは、きっと読者の皆様もお感じだったと思うのですが、番組構成があまりも東日本大震災一辺倒で、演歌歌手ならまだしも、まだ幼い子供やパンク系ロックバンドに至るまで番組に沿った演出を強要していたからです。　本来、歌番組とは、歌手の個性やその表現する人の主張を最大限に引き出すべきものなのに、去年の紅白歌合戦は、いやらしいまでに東日本大震災一色に塗りたくられてしまっていました。

その事を象徴するかの様に、仙台の学校に通う甥（おい）が「今年の紅白歌合戦は、まるで東北の地図が日本地図より大きくなったみたいだ」とつぶやいていました。

東日本大震災が未曾有の大災害であったことは分かる。　また、それを取り上げてテーマにすることも良くわかる。　しかし、だからと言って、東北を日本地図よりも大きくなるまで誇張し、なおかつ、それを歌う人や視聴者に強要する番組というのはいかがなものか。