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2016/09/07 04:35  | 昨日の出来事から |  コメント(0)

RBA、政策金利据え置き


おはようございます。

昨日、RBAは定例の理事会を開催し、現行の政策金利1.5%を据え置くことを決定しました(市場関係者の予想通り)。 尚、今回の定例理事会をもってGlenn Stevens総裁は9月17日に退任し、副総裁であるPhilip Lowe氏に引き継ぐことになります。Glenn Stevens総裁就任時には政策金利が6%でしたが、現時点の政策金利は1.5%であり、今後の金融政策の運営については後任の総裁に任せるため、今回の声明は、あくまでもこれまでの声明を受け継ぐ形に留めています。 主な内容は以下の通りです。

(1) 今回の定例理事会では、現行政策金利を継続する事が妥当であると判断し、据え置きを決定した。 これまで得られた情報(景気指標)から、 今年の5月と8月に政策金利を引き下げたことで、豪経済を金融面から下支えし、将来的にインフレ率を目標水準まで上昇することが可能であると考えている。

(2) 今の処、現行の低金利政策が、住宅市場のリスクを悪化させるようなサインは出ていない(前回の声明では、住宅市場のバブルのリスクは減少したと明言していましたが、先月に政策金利を引き下げて以来、再び、住宅市場が上昇に転じたために、こうした発言に修正が入った模様)。

(3) インフレ率は非常に低い水準に留まっている。背景には賃金が低く押さえ込まれ、世界的に物価が落ち着いている事があり、こうした状態は暫く続くであろう。また、国内においても低成長(緩やかな成長)が続くことが予想される。

Capital Economics のオーストラリア経済担当チーフの Paul Dales氏は
(1) 今回の声明では、更なる政策金利の引き下げに対して、何のサインも出さなかった(後任総裁の金融政策の自由度を確保する為)。

(2) しかし、もし、第3四半期のインフレ率が非常に弱ければ、11月にも政策金利の引き下げの可能性が出てくる。その一方で、政策金利が1%まで低下するのは来年以降になるだろう。

とコメントしています。

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