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2016/06/08 05:23  | 昨日の出来事から |  コメント(0)

RBA、政策金利据え置き


おはようございます。

昨日、RBAは定例理事会を開催し、事前の市場関係者の予想通り、現行の政策金利1.75%の据え置きを決定しました。寧ろ、市場関係者は、理事会後にGlenn Stevens RBA総裁が、今後の政策金利の引き下げについて、どういった見解を示すかに注目が集っていましたが、この日の声明は、僅か412文字と過去6か月で最も少ない声明文となりました。 これは、今後の政策についてRBAの裁量の幅を確保したい狙いから市場への過度な発信を控えたものと思われます。 理事会後の総裁声明の主な内容は以下の通りです。

現在、入手可能な経済指標から、更には5月の理事会で政策金利を引き下げたことから判断すると、現行政策金利1.75%を据え置くことが妥当であると理事会のメンバーは判断した。 これによって、豪経済を持続維持可能な成長を金融面から下支えし、インフレ率もいずれ目標とする水準にまで上昇するであろう。

CommSec のチーフ エコノミスト Craig James氏は「今回の「声明では、RBAの金融政策のスタンスは、中立ということになる。今後の政策金利の動向については、これから発表される経済指標次第である」とコメントしています。 その一方で、CommSecとしては8月に更なる政策金利の引き下げがあると見込んでいます。

また、Capital Economics のオーストラリア、ニュージーランド経済担当チーフ Paul Dales氏も「今回の声明で近い将来における政策金利の引き下げを明確に出さなかったのは予想外であった。 しかし、金融政策の方向としては、引き続き政策金利の引き下げであり、我々としては8月にもう一段の引き下げがあると考えている」と発言しています。

短期金利先物市場では、総裁発言前までは、8月の政策金利の引き下げを51.9%織り込んだ水準で取引されていましたが、その後は41.2%織り込む水準まで価格は下落(金利は上昇)しています。 また、為替市場も、豪ドルが対米ドルで、5月にRBAが政策金利を引き下げて豪ドルが売られて以来、初めて0.74ドル台まで買われています。

クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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