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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2016/05/20 05:26  | 昨日の出来事から |  コメント(1)

OECDの中で最も子供の貧困率の高い日本


おはようございます。

今週号の英誌エコノミストに掲題に関する記事がありましたのでご紹介したいと思います。

日本への訪問者は、いわゆる貧困の象徴のような光景を見ることはない。街並みの家も古くないし、公園や土手に一時しのぎのテントを作って暮らしているホームレスも見かけない。日本人は、『日本の繁栄は平等社会であるから』と信じている。にもかかわらず、子供の貧困が非常に多いとは驚きである。

日本では、2009年まで子供の貧困について公表されなかった。貧困家庭の子供とは、税金支払い後の平均的な家計所得の半分以下の所得で暮らしている家計の子供を指し、社会全体に占めるその割合は1985年には11%でしたが2012年には16%にまで上昇し、OECDの中でその割合が最も高くなっている。この貧困のギャップ(貧富の格差)はUnicefによれば、貧困の差が激しいと言われるアメリカよりも大きく、メキシコやブルガリアとさほど変わらない。

今や、両親(もしくは一方の親)が非正規雇用で働く家計の割合は全労働人口の4割近くに上り、貧困家計の子供の3分の1が離婚した(もしくは死別した)親と暮らしている。彼らは、飢えてはいないが、お弁当は適当なものか、ダイエット サプリメントを食べ、親が電気代やガス代が支払えないために電気やガスがしばしば止められ、当然のことながら、お金のかかる郊外活動には参加できない。

日本政府も2014年にようやく政策的な手を打ち始め、学校にソーシャル ワーカーの数を僅かばかり増やし、手当も少し増やした。そして、現安倍政権は「1億総活躍社会」と銘打って声高らかに言っているが、その一方で、日本の子供の貧困の現状は、実にぶざまである。更に、最近の新聞各社は、競って貧困家計の子供が盗みや売春に走る記事を書く有様からして、貧困家計の子供の生活環境はますます悪化の一途を辿っている。

残念ながら、これが、私たちの国、日本の現状です。

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One comment on “OECDの中で最も子供の貧困率の高い日本
  1. パードゥン より
    英誌貴社は日本へ取材に来たの?

     記事のソースは日経ですか?  
    大バブル崩壊と小泉・竹中改革の失敗で中産階級が崩壊したのは
    事実ですが、それを誘導した欧米誌と大儲けをしたヘッジファンドに
    又、陽動されて
    社会に不満を増大させる記事を書いているイギリス誌は怪しい(笑)
    EU離脱問題という自分の頭のハエを追え(笑)

     社会保障を安易に受ける事をよしとせず頑張ってるんだ、日本人は  
    戦後も庶民はこんな所が復活した
    ここで欧米社会のような不満を他者のせいにする悪知恵や
    攪乱作戦には要注意しないと、テロと暴動と略奪の先進国入り

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