昨日、４月５日に開催されたRBA定例理事会の議事録が公開されました。　主な内容は以下の通りです。

（１） 理事会のメンバーは、現行の政策金利を維持することを全会一致で合意した。

（２） 最近の為替市場について、足元的に豪ドルが対米ドルで上昇していることは、豪経済が鉱山関連産業依存型からの構造改革を推進するうえで、阻害要因になる可能性がある。

（３） その一方で、鉄鉱石や石炭などの豪主力輸出品の価格は、今年に入って著しく回復基調にある。　また、豪最大の輸出相手国である中国は、今年に入って更に景気刺激策を打ち出しており、今後、これらの商品価格の更なる上昇が期待できる。

（４） その意味では、豪経済は鉱山商品価格の上昇と豪ドルの上昇によってリバランスがとれている部分があるが、その一方で、製造業の輸出が豪ドル高によってダメージを受けやすい。

これに関しては、Glenn Stevens　RBA総裁が３月末にNYで行った講演の中で「現在の豪ドル水準は、我々が想定している水準よりも若干高い」と警戒感を示し、「豪経済は、数年前に鉱山ブームを脱出し、現在は非鉱山関連産業（例えば、教育や海外からのツアー）への移行を緩やかに行っている。　その際、豪ドル安は、こうした産業の育成を下支えしているが、現在の為替水準は２０１５年央以来の豪ドル高となっている」と発言しています。