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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2016/04/15 05:00  | 昨日の出来事から |  コメント(0)

豪、3月の失業率は5.7%に低下


おはようございます。

昨日、ABS(オーストラリア統計局)が発表した3月の失業率は、季節調整後で前月の5.8%から5.7%に低下しました。 内訳としては、新規雇用者が26,100人増加し、その一方で失業者数は7,300人減少しています。 事前の市場関係者の予想では、失業率は5.9%で、新規雇用者数は+19,000人でしたので予想以上にいい数字に市場は驚きをもって捉えられました。  

しかし、労働参加率は64.9%と昨年9月以来の低い水準に留まり、更には、正規雇用者数が8,800人減少し、その一方で非正規雇用者数が34,900人増加した為に、市場では、「今回の雇用統計は、数字ほどには良くない」との見方も出ています。

JP Morgan のエコノミスト Tom Kennedy氏は
(1) RBAは労働市場の動向により敏感になっており、今日の数字は彼らを勇気づけるものになるであろう(現状の金融政策を維持することに自信を深めるであろう)。したがって当面は更なる金融緩和はないであろう。

(2) 確かに、インフレ率だけを見ると(現在は中期的な目標レンジである2~3%のインフレ率を下回っているため)、更なる金融緩和の余地はあるが、一層のインフレ率の低下にはなっていない。

(3) 先週の時点では、短期金利先物市場では5月に政策金利の引き下げを40%織り込む水準で取引されていたが、今日の数字を受けて16%を織り込水準にまで価格は下落している(金利は上昇している)。

とコメントしています。

また、CommSec のエコノミストSavanth Sebastian氏も
(1) ここ2~3か月、失業業率は揉み合い状態にあったが、ここにきて再び下降傾向を辿り始めている(労働市場は再び改善傾向を辿り始めている)。

(2) 我々としては、2016年は労働市場が改善傾向を辿ると考えているが、企業家は、2016年の豪連邦政府の予算動向を懸念しており、それが雇用を不透明なものにしている。

と指摘しています。

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