2016/04/05 05:10 | 昨日の出来事から | コメント(0)
うまくいっている中央銀行は退屈なもの?!
昨日、ABS(オーストラリア統計局)が発表した2月の豪の小売売上は、季節調整後で前月比変わらずのAUD24.838ドルでした。事前の市場関係者の予想では+0.4%でしたので市場は失望感をもって捉えられ、為替市場では豪ドルは他通貨対比で売られています(ちなみに12月は+0.3%、1月は+0.2%でした)。
JP Morgan のエコノミストBen Jarman氏は「労働市場が改善し、また、ガソリン価格が低価格で販売されていることが家計支出を下支えしているはずであり、今回の数字はこうした要因を反映していない」とコメントしています。
また、この日、民間のANZグループが発表した3月の求人広告件数は、季節調整後で2月対比変わらずのフラットでした。 内訳としては、インターネットによる求人が、前月比+0.2%であったのに対して新聞による求人広告件数が前月比10%下落しています。
ANZ のシニア エコノミストJustin Fabo氏は「2015年11月以来、求人広告件数はほとんど変わっておらず、このことは労働市場環境が緩んできている事を示している(悪化してきている)」とコメントしています。
更に、この日、民間のMelbourne Instituteが発表した3月の消費者物価は2月に0.2%下落した後、更に0.2%下落しています。 これによって前年同月比では+1.7%とRBAが中期的な目標とする2~3%の下限を下回ってきました。
しかし、本日、火曜日に開催されるRBAの定例理事会では、昨年5月以来の政策金利2%を据え置くと市場関係者の多くは予想しています。
オーストラリア国立大学の Timo Henckel教授は「最近のオーストラリア国内、及び海外の金融市場において新しいニュースがない中、RBAが現在の政策金利を変更することはないであろう」とコメントし、「うまくいっている中央銀行は退屈なものである」と1年近く政策金利を変更しないRBAの姿勢をそう表現しています(しかるに「極東の日いづる国の中央銀行」は、、、、)
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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