昨日、ＡＢＳ（オーストラリア統計局）が発表した２月の住宅ローン申請件数は１月に比べて、季節調整後で５．６％下落しました。この数字は、２００１年２月以来の低い数字となっています。事前のエコノミストの予想はマイナス３％でしたので、予想以上に住宅ローン申請件数が下落しています。　地域的には、大洪水のあったクイーンズランド州は、６.３％下落したことが大きく影響し、　更に、現在のオーストラリアの経済の牽引役になっている鉱業産業の少ないニューサウス　ウェルズ州（シドニーのある州）では、１０．１％下落し、１４年振りの低い水準となっています。

内訳としては、中古住宅に対するローンの申請件数は１月対比１％上昇したが、新築住宅のローン申請件数が１２％下落しています。また、住宅着工許可件数は、１月対比６％下落しています。

市場関係者は、「ＲＢＡによる一連の政策金利の引き上げ効果が、特にニューサウス　ウェルズ州及ビクトリア州で顕著に表れている（鉱業部門の恩恵が少ない為）」とコメントしています。

また、ＡＮＺ銀行のエコノミストAnge Montalti氏は、「消費者は、住宅ローン金利が高い為に寧ろ貯蓄を増やしている。　そして、かれらは住宅ローン金利が低下するのを待っており、今後の動向を注視する必要がある」とコメントしています。