2014/12/10 14:41 | 昨日の出来事から | コメント(1)
英誌エコノミストは安倍政権を支持
今週号の英誌エコノミストは、今週末に実施される衆議院総選挙に関する記事がありましたので、ご紹介したいと思います。
2012年に第2次安倍政権が発足し、その後、アベノミクスとして3本の矢が放たれ、1本目の矢である「日銀による異次元の金融緩和(黒田バズーカ1)」が実施され、これによって当時為替市場で80円台で取引されていた円は、一気に100円台まで上昇し、日本株は日経平均で1万6000円台まで上昇しました。 そして、2本目の矢である「大幅な補正予算による財政出動」によって、それまで封印されていた箱物建築や凍結されて久しかった新幹線整備が一気に加速しました。 そもそも、これら2本の矢は一番肝心な3本目の矢である「成長戦略」を実行に移すまでの時間稼ぎの矢(補完的な矢)であったにもかかわらず、一番大事な3本目の矢は、失敗に終わりました(TPP交渉、農業の自由化(全農改革)、電力自由化、労働市場の自由化、など)。
そこへ、2014年4月に消費税が5%から8%に引き上げられたことによって日本経済は予想以上に失速し、第2四半期の成長率は-7,6%、第3四半期では速報値で-1.6%と2期連続でマイナス成長となって、テクニカル的にはリセッション(景気後退)に陥ってしまいました(その後の確定値では、-1.6%から0%程度まで上方修正されるとの見方が大半でしたが、実際は更に0.3%悪化して-1.9%でした)。
これを受けて、安倍政権は、表向きには来年4月に予定されていた消費税再引き上げの先送りを決断した事に対する国民に信を問う形で衆議院解散総選挙に打ってでて今回の衆議院解散総選挙となっています(その陰には、任命した女性閣僚問題や一部閣僚の政治資金報告書の不手際等をご破算にして安倍内閣の求心力を強めることが目的との見方もあり)。
確かに、安倍首相は、靖国問題、従軍慰安婦問題では、周りの諸外国から反発を買っているが(これは彼の祖父である岸首相の影響が大きい)、彼が今回の選挙で勝利した後に行おうとしている3本目の矢(TPP交渉妥結、農業改革(JA改革)、労働改革(女性の就業機会の拡大、労働の一物一価の確立、外国人労働者の大幅な受け入れ等)は、もう「待ったなしの状態」になっており、そのことは、日本人の多くもわかっており、また強く感じている事なのである。 ただ、それが、いざ、わが身に当てはめるとなるとやはり辛いから反対しているだけなのである。
そして、もう今回の機会をなくしては、10月末の黒田バスーガ2が発射された後の日本の財政は、実質的には日銀によってファイナンスされている為(発行国債の90%を市場から買い入れている為)、いつ、日本の消費者や海外の投資家から見放されるかわからない。 故に、我々(英誌エコノミスト)は、「彼(安倍首相)が今の日本にとってベストの選択である」との立場を取る。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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One comment on “英誌エコノミストは安倍政権を支持”
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たった・・
一人の候補者しかいないのに・・
ベストの選択・・
英国流皮肉・・機智とは言い難い・・・(笑)