昨日、民間のNAB（National Australia Bank）が発表した豪の１１月のビジネス信頼感は、前月のプラス６ポイントから１ポイント下落してプラス５ポイントでした（ちなみに９月はプラス１２ポイントでした）。　これは、９月にかつての労働党政権から企業家寄りの自由党連合に政権が交代した為に、企業家のビジネスに対する期待が大きく膨らんだものの、時間の経過と共にその期待が萎んできていることを示しています。

その一方で、現在のビジネスの実態を表す１１月ビジネス　コンディションは、１０月のマイナス４ポイントからマイナス３ポイントに若干改善しましたが、それでも引き続きネガティブの域を出ていません。

主な内訳としては、鉱山関連産業や製造業が改善の兆しが見える一方で、雇用は大きく低下し、今後、企業は更なる人員削減を実施するとNABでは見ています。　また、将来に対しては設備稼働率が低下する中、受注、在庫共に改善の兆しが見えません。

NAB のチーフ　エコノミスト Alan Oster氏は、「９月の政権交代で、企業家は将来に対して期待を大きく膨らませたが、実体経済はその期待に応えていない」とし、一方で「RBAによる低金利政策と住宅価格の高騰が、企業家のビジネス　コンフィデンスを引き上げている」とコメントしています。

尚、NABとしては、２０１４年５月に政策金利０．２５％の引き下げを予想していますが、失業率が予想以上に上昇すれば、政策金利の引き下げは一段と早まり、場合によっては更なる政策金利の引き下げもありうるとしています。