先日、ABS(オーストラリア統計局)が発表した８月の豪の失業率は前月比０．１％上昇して、２００９年８月以来の高い水準である５．８％となりました。主な内訳としては、正規雇用が１５，０００人減少し、非正規雇用が４，０００人増えています。　また、労働参加率は６５％となり、　これによって、失業者数は９，０００人以上増加して７１４，０００人となっています。

一方で、時間当たりの賃金は上昇しており、企業家としては、雇用者数を減らしながら既存の労働者の賃金を上げることによって業務を賄おうとしていることが窺えます。

RBAは、豪の鉱山関連企業のこれまでのブームが過ぎ去ったことによって、失業率は６％程度まで上昇すると見ていますが、景気回復のカギを握る非鉱山部門関連産業の業績は引き続き低迷したままです。

これを受けて、為替市場では豪ドルが他通貨対比で急落し、対米ドルでは０．９３ドル台前半から０．９２ドル台前半で売られ、短期金融市場では来月にも政策金利を引き下げることを織り込み始めています。

尚、今回、政権交代したトニー　アボット政権は、今後5年間に１００万人の雇用を増やし、１０年間では２００万人の雇用を増やすことを政権公約に上げています。　ちなみにこれまでの労働党政権下の５年間では、雇用は０．７４百万人増え、非正規雇用者数の割合は２８．１％から３０．１％に上昇しました。