2012/07/04 05:44 | 昨日の出来事から | コメント(0)
RBA, 政策金利を据え置き
昨日、RBAの定例理事会において、現在の政策金利3.5%を据え置くことを決定しました。 理事会後の声明の主な内容は以下の通りです。
(1) インフレは、今のところ、中期的な目標とする2−3%以内に収まっており、ヨーロッパ信用危機などの海外の不安定要因も2−3か月前に比べて落ち着いてきていることから政策金利を据え置くことを決定した。
(2) 5月、6月と2か月続いて大幅に政策金利を引き下げた効果が、ここにきて出始めていることも政策金利を据え置くことを正当化させるものである。
(3) また、5月、6月の政策金利の引き下げ(0.75%)によって、高止まりしていた住宅ローン金利は0.6%低下しており、家計部門にその恩恵が今後の統計に表れてくることが期待できる。
(4) 今月から導入されたカーボン タックス(Carbon Tax:二酸化炭素排出税)の見通しであるが、これによって景気が大きく後退するとの見通しを我々は持っておらず、今後、1〜2年のインフレの見通しにおいても引き続き2〜3%以内に収まると考えている。
また、その日、ABS(オーストラリア統計局)が発表した5月の住宅及びアパートの着工許可件数は4月対比27.4%増加しました。 事前のエコノミストの予想はプラス4%でしたので、大幅な増加に市場では驚きをもって受け取られました。
ただ、住宅業界の専門家は、今回の大幅な上昇は、住宅業界が力強く成長しているというよりも、5月の政策金利引き下げによってこれまでの減少傾向の反動に過ぎないと慎重な見方を崩していません。
住宅産業協会(Housing Industry Association )にシニアエコノミスト Andrew Harvey氏も「たとえば、4月の西オーストラリアの住宅着工許可件数は47.2%も急落し、5月はプラス24・8%とリバウンドしたに過ぎない」と指摘しています。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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