昨日、民間のＮＡＢ（National Australia Bank）が発表した８月のビジネス信頼感は、幅広い産業に亘って低下した結果、前月対比１０ポイントも急落して８ポイントでした。　また、ビジネス　コンディションは、２ポイント下がってマイナス３ポイントでした。　更に、８月の雇用に関する信頼感は、前月対比２５ポイントも急落しています。

今回のビジネス信頼感の急落からは、２０１１年後半にかけてこれまでのような雇用を維持するかどうか疑わしくなってきています。　ギリシャのデフォルト懸念と、世界経済の低迷がオーストラリアにも本格的に影響を及ぼし始め、市場関係者は、近い将来に再びビジネス信頼感が回復する事は困難であろうとの見方が増えてきています。

ＮＡＢのエコノミストAlexandra Knight氏は、「ヨーロッパのクレジット危機の影響や、アメリカ政府によるこれ以上の景気刺激策が期待できない事を考慮すると、来月のビジネス信頼感が回復する事は期待薄である」とする一方で、「政策金利は２０１２年にかけて現在の水準にとどまるであろう」とＲＢＡによる早期の政策金利の引き下げに否定的な見方をしています。

また、この日、オーストラリアの大手製鉄会社BlueScopeは、１４００人の人員削減を発表し、今後、こうした動きが更に拡大するとの見方が市場内に広がっています。