2011/08/31 05:25 | 昨日の出来事から | コメント(0)
豪、7月の住宅着工許可件数はプラスに転じる
昨日、オーストラリア統計局(ABS)が発表した7月の住宅着工許可件数は、季節調整後で前月比プラス1%の増加でしたが、今回の数字で4カ月ぶりにプラスに転じました(事前のエコノミストの予想はプラス2%でしたので予想ほど大きくありませんでした)。
内訳としては、民間部門は前月対比マイナス0.2%となり、前年同月対比ではマイナス12.1%と引き続き低迷しています。 市場関係者は、特に、フラット(日本で言うところのマンション)需要が大きく足を引っ張っていると指摘しています。また、別の関係者は、「鉱山部門以外の景気が失速しており、近い将来、金利の引き下げもありうる」と指摘しています。
UBSのチーフエコノミストScott Haslem氏は、「我々は、RBAが2011年末まで現在の政策金利を維持するとの見方を変えていないが、最近の国内の弱い景気指標が続くようであれば、年末までに政策金利を引き下げる可能性が高まる」とコメントしています。
ドイツ銀行のエコノミストAdam Boyton氏も、「RBAは、豪鉱山部門の好況を背景にインフレが高止まりしている限りは、政策金利の変更は妨げられるであろう(政策金利の引き下げは出来ない)。 従って、住宅建築部門の低迷は今後も続く」とコメントしています。
今、豪経済は、鉱山部門の商品価格の高騰によるインフレと、それ以外の部門の景気の低迷の間で、RBAとしては身動きの取れない状態に陥ってしまっています(RBAのターゲット インフレ(3%)政策に対する欠点(金融政策運営の自由度が失われる欠点)がここに来て表面化しています。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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