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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2011/07/07 06:11  | 昨日の出来事から |  コメント(0)

豪、インドネシアへの牛の輸出再開


おはようございます。

以前にもご紹介しましたが、オーストラリアでは、これまでインドネシアへの生きた牛を輸出していましたが、その輸出先のインドネシアでの生きた牛の屠殺方法の余りの残忍さにオーストラリア政府は「インドネシアが、生きた牛の処分方法を変えない限り、当面、輸出を禁止する」措置を執りました(向こう6カ月を目途)。

輸入を禁止されたインドネシアは、このオーストラリア政府の措置には痛くも痒くもなく、輸入先をニュージーランドやアメリカに変更して何食わぬ顔で済ませたのですが、困ったのは自分から言い出したオーストラリア自身で、被害を受けた畜産業者が政府に対して輸出禁止に伴う損失を補償するように求め、オーストラリア政府も自分で振りあげた拳を下ろすタイミングに苦慮しているとお話しました。

それが、昨日になって「生きた牛の輸出で大きな損害を受ける業者に限って(サプライ チェーン上の観点から大きな被害を受ける業者に限って)、その輸出の再開を許可する」というのです。 更に「国内の輸出業者は、インドネシアの生きた牛の処分方法が国際動物福祉基準に則ったものであるかどうかを追跡しなければならない」としています。

今回の発表は、実質的にはこれまでの輸出禁止措置を骨抜きにしてしまうもので、その背景には、損失補償の為に現政権はAUD300m(日本円で240億円)以上の損失を負担しなければならず、更なる損失負担は国民に説明がつかなくなってきている事が挙げられ、表向きは「これまでの政府の方針は正しかった」との姿勢を貫きつつ、実質的には輸出禁止解除となっています。

今回のジュリア ギラード政権の大チョンボ(大ヘマ)の背景には、連立を組んだ小さなン政党グリーン党に振り回されたことがあります。 考えの違う政党が、政権欲しさに連立を組むとロクなことにならない典型的な例で、 そういえば、東方の日出国でも、かつては3党連立を組みましたが、外交力も政治力もない沖縄問題に首を突っ込んだ揚句に一つの党は連立を離脱し、今、連立を組んだ残りの小政党が、いずれ自分たちが埋没してしまう事を察知し、醜いまでに暗躍しています。

そして今度は更なる大連立ですか?! 結果は自ずと知れた事、もっての他です!!

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