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2011/11/25 05:13  | 昨日の出来事から |  コメント(2)

陰の極?!資産圧縮に走るヨーロッパの銀行


おはようございます。

今週号の英誌エコノミストに資産圧縮に走るヨーロッパの銀行と、それに群がる?ヘッジ ファンドの関係に関する記事がありましたので、ご紹介したいと思います。

ご存じのように、ヨーロッパの多くの国々の国債の利回りが急上昇した為に(価格が下落した為に)、これを大量に抱えているヨーロッパの銀行は自己資本が大きく毀損し、これを補填するために増資をしたいのですが、現在の株式市場の環境では、殆ど資金調達が不可能な状態になっています。 

そこで、自己資本比率を少しでも上げる為に、資産項目のアセットを圧縮することに各銀行は躍起になっています。 保有株式や債券の売却、ローン アセットの売却、あるいはヘッジ ファンドなどへの貸出の圧縮等々、モルガン スタンレーのHuw van Steensis氏によれば、ヨーロッパの銀行は今後18カ月以内に1.5〜2.5tlnユーロ(日本円で155兆円から260兆円)もの資産圧縮をする必要があると試算しています。

皮肉なことに、銀行のこうした資産売却の主な買い手は、ヘッジ ファンドなのですが、彼らは投資家から集めた資金の他に、銀行からの借り入れも行ってレバレッジをかけるのが通常なのですが、最近では銀行からの借り入れが殆ど出来ずに、銀行の投げ売り資産を買いたくても買えない状態に陥っています。

このことが、ヨーロッパの銀行に更なる流動性の高い資産の売却に走らせています(本来であれば売る必要のない優良国債や株式まで売却しなければならない羽目になっています)。 これは1990年代の日本の銀行が、バブル崩壊後、保有資産を売却し、あるいは「貸し剥がし」をして資産圧縮に奔走した頃と同じ構図です。

今、世界中の株式が売られて、どこを見渡しても全く買い材料が見当たらない状態となっていますが、私個人的には、「こういう時こそ、そろそろ買い場であり、タンスにしまってあったお金が登場する時間帯が近づいてきている。」と考えています。

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本日のデイリー チャートに関するお詫び:
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平素はご愛読いただきありがとうございます。

本日の「デイリーチャート」は、私のパソコンの不具合の為、アップ デート出来ておりません。

読者の皆様にはご迷惑をおかけして申し訳ございませんが、よろしくお願い申し上げます。

前橋 拝

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2 comments on “陰の極?!資産圧縮に走るヨーロッパの銀行
  1. ベルドン より
    陰の極?!

    悪魔の囁きか・・?
    天使の囁きか・・?
    それが・・
    悩ましい・・・

  2. 俺もぐっちー より
    ヘッジファンドは銀行の敵になったのか?

     最近ヘッジファンドは、欧州国債を売って荒稼ぎしていると聞きますが、欧州国債を一番多く持っているのは銀行です。ヘッジファンドのせいで資本を毀損され、怒って資金を引き上げているという点もあるのではないでしょうか?

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