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The Gucci Post [ぐっちー編集長の金融・経済を中心としたオピニオンブログ News Paper]

2019/10/17 06:02  | 昨日の出来事から |  コメント(0)

ビットコイン デリバティブ?!

おはようございます。

先週号の英誌エコノミストに掲題に関する記事がありましたのでご紹介したいと思います。

9月24日、暗号通貨として良く知られているビットコインが、僅か30分で1,000ドルも下落した。誰もその理由がわかないし、そもそも関心にある人も少なかった。今年の5月以降、同じような下落が何度も起こっている。今、この市場の片隅である問題が起きている。それは、なんの暗号通貨も持たずに価格が上昇することに賭けたビットコイン デリバティブを買ったトレーダー達に対し、取引所が担保を要求したのである。その事が暴落のきっかけになった。その日の内に64.2億ドルのビットコイン契約がデリバティブを扱っているBitMex取引所で相殺取引が行われ(反対売買が入った)。 他の暗号通貨でも同様の事が起こった。

暗号通貨デリバティブでは、オプション、先物、そして更にリスクの高い商品が人気を得ている。暗号通貨リサーチ会社Chainanalysisによれば、2019年に入って、これまで230億件もの取引が成立している。しかし、先月のような急落は規制当局の頭を悩ませている。日本は、厳しい届け出を要求することを検討している。香港では、暗号ファンドに個人がアクセスすることを禁止している。ヨーロッパでは、昨年以降、厳しい規制をかけている。イギリスの規制当局FCA(Financial Conduct Authority)は、個人の投資家に暗号通貨デリバティブを売ることを全面的に禁止する法案を提出している。審議は10月3日に終わり、法案は2020年前半に成立する見込みである。

しかし、それはFCAが投資家の頭を押さえつけるようなことにはならないであろう。何故ならば、現実には、そうしたデリバティブを買う人は、自国通貨の下落に対するヘッジとしてデリバティブを買っているが、暗号通貨そのものは法律的には通貨として認められていない。また、暗号通貨は何の価値の裏付けはなく、単に会計上の単位の一つにすぎず、多くの場合、通貨として受け入れられていなない。FCAは、「暗号通貨デリバティブを扱っている人々はヘッジ目的にそうしたデリバティブが必要であるとは主張できない」と述べている。

故に、そうしたデリバティブは投資として取引されている所以である。しかし、それらは貯蓄として留まることが出来ない。何故ならば、それらは殆ど価値がないからである。しかも仮想の通貨は投資としての将来のキャッシュ フローを約束していない。仮想通貨の価格は、テクノロジーの優位性や、使用目的に制約を受けない事と強く結びついている。その結果、グーグルの株価の様な形をしている(バブルようなの価格形成になっている)。 仮想通貨取引所間の取扱高の薄さによってデリバティブ取引の価格は信頼性が低い。また、流動性の低さが価格変動を更に増幅させる。ビットコインは、実際の金融商品価格の4倍のボラティリティがある。

FCAは、暗号通貨の素人はこうした事を全く理解していないと考えている。2017年半ばから2018年末において、イギリスの投資家は全部で49.2百万ドルの損をしたと見込まれている。しかし、その大半は大口投資家である。他の先物では更に損失が致命的である。デリバティブ トレーダーは2倍から100倍のレバレッジのかかった取引を行っている。FCAは、彼らがこうした取引で1年に234百万ポンド損をしたと考えている。

しかし、暗号通貨市場関係者は、こうした考えに同意していない。法律会社Orrick のJacqui Hatfield氏は「(そうした事は)ちょっとした反動に過ぎない」と言っている。 暗号デリバティブは他のデリバティブと同じリスクである。こうした動きを禁止すると、代わりに投資家は違法な暗号通貨に直接投資すると反論する。そして暗号通貨取引所は、他の場所に移動するだけである。暗号通貨発行に関わる会社、CoinshareのDanny Masters氏は、「規制当局はテクノロジーの成功や失敗に口出しすべきではない」という。

FCAの任務は、消費者を悪徳業者から守るのが全てではない。昨年、仮想通貨取引所やその他の施設から10億ドル近くの暗号通貨が盗まれて、それは2017年の3.6倍に上る。多くの盗人がデリバティブ資産を攻撃している。価格操作も増えている。ビットコインの専門家David Gerard氏は「個人投資がサメのいるプールに飛び込んでいる」と述べている。 規制当局は、マーケットの不正を取り締まっている。これに対して、暗号デリバティブ抵抗者たちは、規制の荒波に逆らって泳いでいる。

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尚、このレポートは情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。

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