2010/06/11 14:40 | 言いたい放題 | コメント(6)
「最小不幸」? 最大幸福ではないのか?
いまでもユダヤ人を中心として行われているダイヤモンドの取引きは言葉がベースであり、黒一色の衣装をまとったブローカーたちが薬包にも似た紙袋に入ったダイヤを、かざしたりすかしたり、虫眼鏡で調べたりして取引をしているが、万が一決済が遅れたりすると、たちまち世界中の市場にお触れが回り、アントワープやテルアビブなど全ての市場から追い出されることになる。
ところが日本のように法律だ、条令だ、規制が増えてくると、言葉よりも「読んだのか、了解したのか」という紙切れの方が重要となり、おまけに署名捺印までしなければ市場に参加出来なくなった。 そのため「市場にはリスクがある」「それが厭なら入ってくるな」という原理原則が忘れられ、言葉の意味が軽くなったのではないだろうか。
好例が菅首相の唱える「最小不幸の社会」だろう。一国のトップの言葉としては如何にも軽く、何を言っているのかよく判らん。
不幸とか幸福とかは物差しで計れるものではないだろう。貧しくとも教養を高め、尊敬されることで幸福と思う人もいるだろうし、巨万の富を抱えていても、様々な問題を抱えていて不幸な人もいるだろう。
最小不幸なんて怪しげな言葉で国民を騙すのは止めて欲しいものだ。どうせ言うのなら「最大幸福」を名指すとか「世界一豊かな国」にすると言うのがトップの役目ではないのか。
もう既に生活保護を受けている家庭が127万世帯にもなるとか。まさか「最小不幸」とは生活保護のことではないと思うが、生活保護を受けている家庭が「最小不幸」だと考えたりするようなムードになれば、むしろ逆効果だろう。
悲観論が好きな国だから、ギリシャなどの問題が起きるとすぐ日本もそうなる的なムードになるが、こうした悲観論を払拭するのが政府の仕事のはずである。 何故もっと胸を張らないのだ。いまでも日本は世界で1,2を争う債権国であるという事実を国民に知らせ、もっと国民に元気を出して貰えば、この国はまだまだよくなるはずである。
財政赤字という巨額な借用書もある一方で、対外債権保有では世界一、国債を保有している民間は、それだけの国への貸付証書も持っていることも教えるといい。
国民を元気にしたいのなら、市場を大きくすることだ。株式市場の活性化などすぐにでも出来るだろう。規制、制度、税制を見直し、「こっちの水は甘いぞ」と世界中の優良企業を呼び込み上場させ、優秀な外国人がどんどん日本に来るようになれば、東証の時価総額もたちまち跳ね上がる。東証の時価総額が1000兆円にでもなれば、国債による負債と市場の富とイーブンになるから、孫、子にも「借金も残すけど資産も残したぞ」と言えるではないか。
いま日本が目指すべきは「最小不幸」ではなく「最大幸福」への成長路線なのではないか、言葉が余りにも軽く大衆に阿ね過ぎるのもいい加減にして欲しいものだ。
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6 comments on “「最小不幸」? 最大幸福ではないのか?”
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最小不幸と最大幸福・・
最小幸福と最大不幸・・
の狭間に・・
我々は生きているらしい・・
不幸は最小なら・・良いのか・?
世界の専門家は・・メキシコ湾流で・・悲痛な声を出し・・苦悩している・・
オイルボールは見える・・対処出来る・・
しかし
見えない程のオイルボールは・・打つ手がない・・しかも深海でも・・広がっている・・
この最小の不幸に・・小はプランクトンから大は鯨まで・・影響を受ける・・当然海水植物・・それに人間も・・
しかも
どんな影響かも分からない・・
最小不幸でも・・最大不幸をもたらせられる・・
言えるとしたら
漁夫の利で・・最大幸福を掴んだ方は・・
二ヵ月後には・・最大不幸を掴みかねない・・
自分の言葉を・・噛みしめられる方は・・程々幸せだ・・・
ベビーブームしかないと思う今日この頃。
自分はベビーブーム後の世代です。
1度は見てみたい。子供が校舎から溢れて、バラックで勉強するところを。
今回のコメント、御大らしくないように感じられてなりません。
我々は政治家の大言壮語には、ウンザリしています。「できもしないのに…」と。
菅首相が「最大幸福」ときたら、「そらまたか」で、支持はここまで広がらないでしょう。そこへ「最小不幸社会」と来た。
人間、自分はもしかしてちょっと幸福なのでは…と思っているひとほど、不幸への怯えに取り付かれています。
それゆえに、不幸を最小にすると、いわれると、それにはグッとくるのですね。
つまり、菅さんは、そうした空気を正確に読んだ。彼は空気が読めるんですね。
そこが安倍以来、4代の総理と決定的に違っています。
政治家を一刀両断にするのは、御大でなくてもそう難しいことではありません。
しばらく様子を見ましょうや。
最小不幸というからには、多くの失業者に仕事を確保するぐらいは、やってくれるのかどうか?様子を見てからでも、遅くないじゃないですか。
マンドラン
「最小不幸」というのは「最大幸福原理」を求める功利主義に対するアンチテーゼということはご理解いただいているものと思います。結構この言葉は流行るかも知れませんゼ。「生活保護を受けている家庭が127万世帯にもなる」という現在の日本において、それほどピント外れではないような気がいたします。
「悲観論が好きな国だから」という、このところの御大自身がどうも悲観的な見方に傾いているようで気がかりですナ。
人間の究極のしあわせは
人に愛されること
人にほめられること
人の役にたつこと
人から必要とされること
働くことによって愛以外の3つのしあわせは得られる・・・
日本理化学工業のお話は、とても印象的です。
今の日本では、こういうものが悉く蔑ろな気がします。
リスクをとってリターンを得る・・・そういう元気がなくなっているのは、たしかな気がします。会社も個人もなにもかもが保身的で、、、
そうすると何もかも悪循環にはまってしまいますよね。
だから、あまりしあわせでない人がたくさんいるのだと思います。
次の選挙で・・・何が正しい選択なのか、さっぱりわからなくなっています。
確かに、こう漠然とされてはユダヤ人は1カラットのダイヤも売ってくれないでしょうね、能力判定は時期尚早と思いますが。「平等に広く薄く」がこれまでの民主党ですが、このまま方針を変えずにセーフティネットの充実など可能でしょうか?借金だけ残らなければいいですが。
工場一つ建てるのに木造建築が主流だった大昔の規制が残っているとかいないとか、恐らく、なくなると困る困った人がいるのでしょう。