2010/02/12 18:49 | 言いたい放題 | コメント(10)
納税と払税
何となく釈然としないのは、納めるのと払うのではかなり意味が違うのだが、どうしてこの言葉の使い方に日本では異議が出ないのかということである。
納めるという言葉には上納金のように対価を求めない感じがするが、払うという言葉は払うからには対価を求めるという感じが出る。
だからアメリカなどはいまだにティーパーティ(反税活動)活動が盛んだし、しばしば住民投票などで住民税に対する民意を問うことも多いが、納めることに馴らされたためか、日本では源泉徴収された額すら知らないサラリーマンが多い。従って税に対する意識もかなり違ったものになっているようだ。
アメリカでは納税には殊の外世論が厳しい。節税は甲斐性、脱税は罪という国だから、節税は合法的にさえ行えば何の問題もないが、脱税は即刑務所行きとなる。
その昔アグニューという余り有能ではない副大統領がいたが、彼とても脱税が発覚したらあっと言う間に獄にぶち込まれたものだ。
いま世の中を騒がせている民主党のトップ二人の問題も、アメリカだったら即刻打ち首、納税一億円で実刑一年くらいは喰らっているだろうし、またそうしなければ国民が納まるまい。「知らなかった」ですむ国と「知らなかったですめば、お巡りさんはいらない」という国の違いだろうか。
昔は日本もお巡りさんと言われるだけで、子供心に恐かった覚えがあるが、「知らなかった」で通用する人と「知らなかった」ではすまない人とが一緒に住んでいる国も珍しい。民間人が億円単位の小遣いを親から貰って「知らなかった」と言ったって、お巡りさんは許してくれないのではないか。
こんなことがまかり通るのも、税を納めている国ならではの怪現象だろう。
アメリカならもう国民が怒り狂って、国民総不払い運動、現代版ティーパーティ騒動になっているはずである。
その身内の金持ちに甘く、他の金持ちには厳しい民主党政権はどうやら相続税や資産税を強化して歳入の増加を図りそうな構図になってきた。デフレ下の経済で増収を図るには資産家を狙うしかないのだろうが、忘れてくれては困るのは、いまやグローバル化した時代だと言うことである。
金持ち苛めも度が過ぎると、金持ちとて馬鹿ではない。シンガポールや香港など金持ち歓迎の国へとカネを脱出させるのは目に見えている。そんな目先的な政策では貧すれば鈍するのがオチ。折角だからこの際思い切って過疎や財政難に悩む地方自治体を相続税特区にして、逃げようとするカネを国内に留める努力をする方がいいのではないか。
またぞろ「金持ち優遇は怪しからん」という声がどこからか聞こえてきそうだが、むしろ海外に逃げ出しそうなカネを国内で使って貰う方が皆にとってもいいはずである。
相続税や資産税を大きく上げる一方で、地方に「特区」を作ればカネ持ちが移住するし、子供たちもせっせと親孝行に通ってくるだろう。人やカネが動けば付帯するビジネスも一緒についてくるから、過疎化も解決出来るし移住する資産家も不便は感じなくてすむ。当然地方税は大きく増えるので国民負担も減る。
そうなれば税に関心の薄い日本でも、税金を納めて役所が配分するよりも、個人が自分の意志で税を調整出来る方が有効な使い方が出来ると気が付くのではないだろうか。
税金は納めるものではなく、払うものであるという理解も進むだろう。
納税とは何とも厭な響きの言葉ではある。
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10 comments on “納税と払税”
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「とられる」
と奥方は申される・・取る・・採る・・捕る・・執る・・獲る・・盗る・・どの字なのか、発音だけでは分からない。
キリスト時代、ローマが一割・王国が一割の税で、ユダヤは叛乱を起こした。
それからすれば、
我等と限定しても、なんと忍耐強い・・
忍耐強いが、
六億を宰相さまがトラレタとなると・・同情すべきか・・脱税と罵ればいいのか・・
庶民は考える時がいるいる・・
でもまぁ・・宰相さまとしては、トラレタ時に、政治生命もトラレタのでしょうねぇ・・
大幹事長に関しては、秘書の裁判も終わっていない今・・洞窟で影を見てるのと大差ないのでは・・
出てしまう可能性があるというのは、本当に その通りだと思います。 日本の舵取りをしている人たちが、その現実を見ないようにしているのが不思議です。
また、日本で「税」に関心の薄い人が多いのは、日本が管理社会であることと無関係ではないようにも感じています。 戸籍制度や隣組制度を始めとして、「個」を尊重するよりも「社会」が優先される仕組みが出来上がっているので、もしかすると、管理されていることに それほど違和感がないのかもしれませんね。
熾烈な競争原理が働いている世界の中で、もし打たれ弱い日本であれば、淘汰されてしまいます。 管理社会にはメリットとデメリットがあると思いますが、ここまでグローバル化してくると、「社会」だけでなく「個」の強さも必要なので、その両輪を調和させ、進化させるために、日本もターニング・ポイントに来ているのかもしれませんね。
現在、公立の教育機関において、良い意味での競争原理が働いていないように感じられるのも気になります。 私立では既に行われていると思いますが、日本の未来のために、公立学校の教育内容を戦略的に見直す時期にきているように感じています。
自分達に優しく国民に厳しい民主党ならやるでしょう。何でも自分達に都合のいいように論理を捻じ曲げるのは民主党議員の得意技です。野党時代にはあれだけ与党を批判して攻撃していたのにのに、政権を取った途端に、前言取り消しは平気の平左。しかもあれこれへ理屈つけるのが民主党の議員は実に上手い。モラルの欠けらもない。
鳩山首相がその典型である。
コスト意識が欠落し確実にピンハネする輩の存在は判っているのに何故”納め”なければならないのか?このピンハネ現象は歴史が証明していると言っても過言ではない気がしますが。
必要なところには配るのではなく始めから取らない方が効果的であるケースは多いと思います。資産家のお金にしてもです、わざわざ政府を通すより直接市中で散財して頂く方がより効果的ではないでしょうか。
最近の政治を見ていると、お金の動きを複雑にするのはいかがなものなのかなと。税金もシンプルにして頂きたいです。
納税と払税
最も大きな違いは直接投票を権利として市民が持っているかどうかだと思います。直接投票はどんな場合でも議会の権利よりも強い権限、つまり主権を持っています。例えば議会が増税を立法した場合、一定数の署名を集めれば定期的に行われる投票日に市民が直接投票で最終決定を下す事ができます。又議会を通さないで立法も可能です。これは民主主義では当然だと思いますが、なんと日本は市民による直接投票(つまり直接法案と直接立法)を許していません。ですから市民が議会が決めた事を市民の力で直接覆す事ができません。嗚呼なんて議員と官僚にとって”やりやすい”国なんでしょう。
失礼なんですが、思いつきとしか思えません。
私には、イメージ出来ないです。
10年以上前のバブル時、億を超えるマンション、結局、金持ちでもない建設会社の社員は、中途半端なものしか作れない。
金持ちでも、大金、中金、小金。
相続税強化で慌てるのは、所詮、小金持ちでしょう。
貴殿はカネ持ちではないですね、たぶん、失礼。
相続税、資産税を上げる?
バカなことを言って、どうしようもない民主党のちょうちん持ちは止めて下さい。
大幅な税収不足のため、どこかから余分にとらなくてはならない話なのだとは分かります。でも手取り15万円くらいで、すでに一割くらい税金を上納しているところからさらに一割盗ろうなんて無理すぎます。それが消費税とか間接税の形であってもです。生死に直結します。高額所得者が4割納めている税金が5割になったら確かに金額も大きいし痛いんでしょうが、ワーキングプアのように死ぬわけではありません。確かに資金の流失はあるかもしれませんので、アメリカなどと手を組んで、タックスヘイブン対策法のような国際法を作って、中国のように資産を自由に海外に移せないようにするか、資金を移動する際に相続税や贈与税に相当する額を課税できるようにしてしまえば何の問題もありません。
もっとも民主党がマニフェスト通りに国民の可処分所得を倍増してくれるなら何の問題もないのですが。それで閣僚の給料は支持率や経済成長率に連動した年俸制にすべきですね。無能なら一銭も支払わないし、有能なら多くもらっていいと思います。今よりましな人材の集まる夢のある職業になりますし、裏で私腹を肥やす本業も廃業できるでしょう。
特定の地域の不動産を原則相続税非課税にするのはGood Ideaと思います。
ただ新規取得分に限るとか名目的な買換は免除の対象外にしないと田舎の地主が一番の受益者になってしまいます。
地方の議席を独占したい小沢民主党にかかっては制度の趣旨が骨抜きにされて逆効果になりかねません。
縮小均衡する日本に必要なのは、もっと金持ちを作る、もしくは呼び込んで次世代のビジネス、テクノロジー、製品を生み出すリスクマネー、シードマネーを供給することです。
政府、官僚にその役割はできず、しばらく、10年くらいは、ひっこんでもらうしかありません。思い切った減税、国内国外金持ち優遇をやってみましょう。
私の知り合いも棄国し海外に出ました。そういう人が戻って来たいと思わせる国にすべきです。
金がいくらあっても、金持ちがいくら多くても明るい元気なそして若者が夢を見る事ができ、老人が楽しく暮らせる社会の必要条件では無い。日本の人はお金にへばりついている。何でもすぐ金の話ばかり。金、金、金、金持ち=立派な人、これが今の日本社会の価値だ。中国には金持ちが大勢いる。インドにも昔から大勢いる。シンガポールにも、ロシアにも大勢いる。中近東にも金持ちがいっぱいいる。メキシコにだって実は日本より金持ちが多くいる。でもだからって住みたいと言って移住するひとは少ない。それは人間の生活にとってあまり魅力がないからだ。日本に移住したいと言う人も少ない。何故だろう。この点をじっくりと考えてみる事だと思う。そこへ行きたい。夢を実現したい。研究したい。絵を描きたい。音楽をしたい。物を作ってみたい。そして皆で明日を作りたい。
金で買えない物の方が買えるものより多い。