2003/06/02 00:00 | 言いたい放題 | コメント(0)
「不」の字が多過ぎる日本
資本不足に陥った銀行に公的資金を注入しながら、これは「危機ではない」「危機を封じるため、再生のため」と詭弁を弄し、本来危機宣言をして根本から改めるべきことをまたも先送りする。そのため徒らに不信感が増幅してしまう。株価が政権発足以来半値になっているのに支持率が高いのも不可解だし、不愉快ですらある。
多分国民の多くが株を保有していないから関係ないという、基本的な経済への理解不足から口先に騙されて支持しているのだろうが、恐ろしい話である。生保の利率引下げ問題が何故出てくるのか、その原因は株価の不振であることすら判っていないのだから不勉強もいいところである。
政策不信だから上場企業の約20%が過去最高の利益を出しているにもかかわらず株価は全く反応しないし、むしろ値下がりするのも不可解な話である。
デフレ退治には円安も大きな選択肢なのだが、ドルが弱いという理由だけで円が買われてしまうのは不思議な話である。まともに考えれば円が買われる理由は見当たらないし、円が買われれば日本経済はむしろもっと悪化するにもかかわらず円が高い。これもまことに不思議な話である。多分政策当局に不可欠な断固たる政策が欠けているからであろう。
アメリカの国益のためなら他国のことなどおかまいなしに、何が何でもフセインを潰し、ドル安でも平気でやってしまうブッシュ相手では、不戦敗の日本になりかねない。ブッシュ牧場でうまくおだてられて舞い上がっているのだろうが、首相もたまにはハロー ワークに顔を出すべきだ。自分の感覚と庶民のそれが大きくずれていたことに気付くだろう。このところTVに出ずっぱりの金融経済担当相も、構造改革の痛みなのだからご理解をと、ひたすらご理解を国民に求めているが、ご理解してもその先が不明ではこちらは不機嫌で不愉快になるしかない。
真の構造改革とは、これら国民の間にある「不」の気分や疑問を解決することであり、「不振」の経済から脱却するしか「不信」「不安」に陥っている国民を元気づける方法はないはずである。それにはまず「不」の原因究明に謙虚に努めることだ。
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