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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2003/11/28 00:00  | 言いたい放題 |  コメント(0)

いい銘柄の安値を探そう 格好の押し目買いの場が来た


 株価が上昇すると市場の時価総額が増える。時価総額とは株価x発行株数だから、 株 を保有している人たちの資産が増え「懐具合がよくなる。資産が増えるとつい気が 大きくなるので 消費が元気づき、住宅や自動車、大型テレビなどの売れ行きが良くなる し、商店にも レストランにも客が溢れる。つまり株価の上昇は株を持っている人はもち ろん、持っ ていない人たちにも回り回って恩恵が及ぶのであるが、この簡単な仕組みが日本ではなかなか理解されていないきらいがある。

 昨年のことだが妙ちきりんな証券税制が導入されそうになり、こんな複雑怪奇な税制が施行されたら個人が株など買うわけがないと、孤軍奮闘とからかわれながらも、それでも政治家をはじめキイパーソンたちに変更をお願いしたり、テレ ビなどでも反対をしたのだが、所詮株式税制などは金持ちだけの問題ではないのかとか、それって金持ち優遇ではないのかといった意見が多く、危うく変な税制が施行さ れそうになった。

 残念ながら今回落選されてしまったが自民税調の委員長だった相沢英之氏や幹事長だった山崎拓氏などのご協力で、何とか現行の税制になったのは投資家にとっては何よりの幸いだったのではないだろうか。

 税制改正の効き目もあってか、幸い今年になって株価は上昇してきたため、一時 は220兆円にまで減っていた東証一部の時価総額も300兆円まで回復してきた。安値からは80兆円もの富が増えたのである。

 株の価値が80兆円も増えれば、企業や家計、金融機関などのバランスシートに少なからぬ好影響を与えるのは当然であり、消費が盛り返し設備投資が増加し不良債権処理も進む。株価の上昇の影響が如何に大きいかを、改めて日本中で認識して欲しいものである。さて、このところ世界中の株価がややおかしくなってきた。アメリカはイラクに加えて新たに投信スキャンダルで市場の自信が揺らいでいるし、金利も 上昇気味とあっては株価が調整するのは無理もない。

 しかし、こういう時が投資家にとってはチャンスである。それぞれの企業の価値は株価の振れほど変わるものではないのだから、自分なりの基準(ベンチマーク)をしっかり持って企業の価値を判断し、目先の株価の動きに迷わされることなく押し目をじっくり狙えばいい買い場が見つかるはずである。

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