昨日、今月４日に開催されたRBA定例理事会の議事録が公開されました。
その主な内容は以下の通りです。

（１） 中央銀行がそれまで持っていた豪経済に対する楽観的な見方から、現在は楽観的な見方と悲観的な見方が拮抗してきた。非常に不確定な要素が豪経済の中にあって、それまでの政策金利引き上げのシナリオが不透明になり、寧ろ、政策金利の引き下げが妥当に思われる要素が豪経済の中にある。

（２） 今年の豪の経済成長率は＋３％で、失業率は４．７５％程度まで下落し、その事が賃金上昇に結び付き、インフレ率が目標とする水準まで上昇すると期待していた。しかし、ここにきて家計消費の減退が景気の足を引っ張り始めている。しかし、足元の労働市場は空職率が高く、これは企業経営者が仕事にあった労働者を確保できていないことを示している。今後、更に失業率が低下するようであれば、現行政策金利の維持を正当化できる。

（３） 銀行の貸し出しについては、銀行は、投資用不動産に対する貸し出しを抑制するだけでなく、中小企業に対する貸し出しも控えている。背景には、担保となる不動産の価格が下落していることがあり、不動産価格がさらに下落すれば、担保割れする事を銀行は警戒している。