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The Gucci Post [ぐっちー編集長の金融・経済を中心としたオピニオンブログ News Paper]

2018/11/21 05:37  | 昨日の出来事から |  コメント(0)

世界中の住宅価格が下落?!

おはようございます。

先週号の英誌エコノミストに掲題に関する記事がありましたのでご紹介したいと思います。

ロンドンの中心に位置するタワーは1970年代、長い間、空室だらけで、ホームレスの人にチャリティで貸し出しされていた。最近では、その建物はオフィスから住宅に転用されている。しかしそれでも全体の半分は買い手を探している。住宅開発者はその原因となっているイギリスを覆う政治的な霧(ユーロ離脱問題)が晴れるのを待っている。

住宅情報誌Estate Gazzettの社長は、こうした不動産価格の現実からかけ離れた価格に不満を抱いている。 というのも1ベッド ルームが1.8百万ポンド(2.4百万ドル:日本円で約2億7千万円)だからである。

最近では、それよりもやや安い価格の住宅でも売却は難しくなってきている。ロンドンの不動産価格は下落している。 売り手は、より高く売りたいために売りを急いでない。彼らは、不動産価格の下落をBrexitのせいにしている。しかし、彼らは、もっと大局的な観点を無視している。これまで世界中の主要都市の住宅価格は共に上昇してきた。ロンドンで起こったことはNY、トロント、シドニーでの同様の事が起こり、下落する時も同様に下落してきた。つまり、ある場所で起こった問題は他の地域にも悪い影響を与えて来た。

不動産は、かつてはインフレ ヘッジと考えられてきた。しかし、最近では、不動産は世界中に持ち運びが出来てしかも安全である一方で非常に利回りの低い国債の代替物であった。これまでの急速な不動産価格の上昇を受けて、不動産市場は割高になっている。しかし最近の国債利回りの上昇と、住宅ローン貸し渋りや政治の変化などが絡み合って住宅価格を押し下げている。

世界の高級住宅街の価格は、場所は離れていても同時に動いてきた。というのも、個人が自分自身の為にではなく、ヘッジ ファンドや投資信託のような機関投資家が買ってきたからである。こうした都市の価格は、各地のそれぞれの要因よりも寧ろ最も安全な国債の利回りと比較するといったより世界的な要因で説明されている。 こうした世界的な影響は、ロンドンやNY、トロントやシドニーといった資本の流れが自由な金融センターに顕著になって表れて、アムステルダムといったより小さなヨーロッパの都市にまで広がっている。

更に中国やロシアのようなエマージング市場からの需要も増加してきた。買い手はより安全性を確保できる物件を買いたがっている。National University of SingaporeのCristian Badarinza氏やImperial College LondonのTarun Ramadorai氏は、ロシア、アフリカや中東の一部の政治的な混乱が、ロンドンの不動産の価格上昇の要因と見ている。同様の現象がヒースローのようなロンドン郊外でも見受けられるとRamadorai氏は述べている。例えば、ヒースローやサウス ホールの不動産の多くは南アジア人々が所有しており、その時期は2000年代前半のインドでの政治的な混乱と一致する。

海外からの需要は周りに伝播する。もしロシアの財閥の一人が家を買うと、その周辺のより小さな住宅にも波及する(価格が上昇する)。North CarolinaのDragana Cvijanovic氏とHEC ParisのCristophe Spaenjers氏は同様の効果をパリの不動産でも見ることが出来ると述べている。また中国人による不動産の買いがオーストラリアやカナダの不動産ブームの背景にある。

しかし、こうした潮の流れは変わった。世界の主要都市はそれまでとは違っておとなしくなってきている。金融情報会社MSCI IPDによると、住宅投資の利回り(キャピタルゲイン+家賃収入)は、2016年以降初めて5%を割り込んだ。 それでも、アムステルダム、オークランド、ロンドン、パリ、シドニーやトロントでは、所得に対する住宅価格が過去の長期的な平均値よりも非常に高いままである。

更に、その周辺都市の住宅価格は様々要因で下落している。 オーストラリアやカナダでは、世界の安全資産のベンチ マークである国債の利回りが上昇し、住宅ローンの貸し出し基準が厳しくなってこれらの都市の住宅の購入は厳しくなっている。更に、ロンドンではBrexitの政治的な不透明さがある。更に、資金の流れが以前ほど自由でなくなってきている。イギリス政府はロシア マネーに慎重になっている。中国では、大金持ちに対して税を課し、資金の海外流出に制限をかけている。

主要都市間で強く結びついた結果、ある種、「water bed」効果が起こる。例えば、2016年にバンクーバーで外国人の住宅購入に対して税金をかけると、トロントでは税金を下げた。あるいは買い手は、ロンドンのメイフェアーとニューヨークのパーク アベニューを比較する。投資家は、より高い価値を求める。しかし、もうそうした価値は殆ど見当たらない。 いまや不動産市場が変わりつつある。しかし高値で買った人、あるいは高く売りたいと望む人々は、今の新しい現実(市場価格の下落)に適合するにはかなり時間がかかるであろう。

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尚、このレポートは情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。

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