昨日、ABS(オーストラリア統計局)が発表した５月の豪の失業率は、前月比０．２％低下して５．４％でした。事前の市場関係者の予想は５．５％でしたので予想よりもいい数字となっています。　一方で、新規雇用者数は前月比１２,０００人の増加に留まり、事前の市場関係者の予想であった＋１９，０００人を下回りました。内訳としては、正規雇用者数が２０，６００人減少し、非正規雇用者数が３２，６００人増えています。また、労働参加率は季節調整後で前月の６５．６％から６５．５％に低下しています。

地域別では、メルボルンのあるビクトリア州が２２，１００人増加し、クイーンズランド州が５，０００人増加し、シドニーのあるNSWが２，８００人増加しています。　その一方で、パースのある西オーストラリア州は１，９００人の減少となっています。

市場関係者は、今回の数字を受けて「正規雇用者数が減少した事、更には、労働参加率が低下した事で、引き続き豪の労働市場にはSlag（労働市場の緩み）があり、賃金上昇には結び付かない」と指摘しています。また、このことは、労働時間が前月比０．１％の増加に留まっていることからも窺えます。また、今回の数字では、失業率が５．４％に低下しましたが、豪の予想される完全雇用の状態の失業率は５％程度と見込まれており、今回の数字は、完全雇用の状態よりも、まだ失業率が高くなっています。