2011/11/01 06:10 | 昨日の出来事から | コメント(2)
Mrs ワタノ オパチュニティ
昨日は、日本では政府日銀の為替介入がありました。 安住財務大臣が事前に市場に対して為替介入を予告していましたので「やはり来たか!」と思われた方も多かったのではないでしょうか。 ご本人曰く「納得するまで介入する」そうですので、「読者の皆様、為替介入に巻き込まれないように気をつけましょう!」としか言いようがありません。 と言いますのも、こればかりは、財務大臣の胸三寸の話でして、私たちはこういうリスクもあると知った上で日頃の売買をする他はありません。
さて、今週号の英誌エコノミストにMrs Watanopportunity (Mrs ワタノ オパチュニティ: ミセス ワタナベとOpportunity;機会)からできた造語が紹介され、日本の投資行動の変化に関する記事かありましたのでご紹介したいと思います(その方が、財務大臣の胸三寸の為替介入の話よりずっと有益だと思いますので)。
ここで言われているMrs Watanabe(ミセス ワタナベ)とは、実在の女性ではなく、日本の個人投資家の代名詞として紹介され、彼女はどういう理由かわかりませんが「大阪の主婦」という設定になっています。
このMrsワタネベに代表されるように、日本にある1500兆円の金融資産の内、個人が所有する金融資産はその約半分の800兆円を占め、その内、94%は銀行預金に置いたままで株式投資はわずかに6%しかありません(ちなみにアメリカの個人投資家の株式投資比率は32%)。
現在までの処、この銀行預金に預ける投資行動は功を奏しています。 例えば、株価は1989年の高値から75%以上も下落しましたし、不動産投資も過去20年間で50%も下落しているからです。
世間一般的には「日本の個人投資家は、投資に対して非常に慎重である」と紹介されますが、実際はそうではありません。 それが(銀行預金をすること)が、個人投資家にとって一番いい投資対象だったからに過ぎません。
そのことは、ゴールドマン ザックスのChiwoong Lee氏も「日本人は、アメリカ人に比べて投資に対して保守的であるわけではない」として以下の例をあげています。
一つ目は、アメリカの個人投資家もかつては日本の個人投資家のように投資に対して慎重であったが、1970年代のアメリカの金融規制緩和によって1980年代に個人資金の多くがミューチャル ファンドに多くの資金が流れたし、2つ目にはイギリスにおいても25年前の金融ビッグバン(金融改革)によって1990年代後半の金融ブームが起きました。 このように、今後、日本の個人投資の資金も大きく動き出す可能性を指摘しています。
そして、今、日本においても、個人の資金の流れに変化が起き始めたようです。 残念ながら、日本の個人投資家資金の流れの変化は、アメリカのような金融規制緩和でもなければ、イギリスの金融ビッグバンでもなく、皮肉なことに東日本大震災をきっかけとしているようです。
その統計的な証拠として、東日本大震災までの2009年第2四半期から2011年第一四半期までの日本の投資信託残高の平均純増額は毎期1.2兆円でしたが、震災以降の平均純増額は1.6兆円と大きく増加しています。
その投資先の多くは引き続き毎月配当型の投資信託ですが、それ以外としては、地震や津波などの自然災害や原発の影響を受けることのない新興国や海外の不動産信託に大量の資金が流れ始めています(恐るべし!Mrs ワタナベの個人投資家資金!)。
しかし、その一方で投資信託の多く(全体の約70%)は、毎月、配当が安定的に得られる投資信託です。しかし、この投資信託は非常にクセ者で、運用利回りが低下したときには投資元本を配当原資に充てることができます(と、英誌エコノミストは書いていますが、それってタコ配が出来るという事?!)。
あるファンド マネージャーは「投資家が、そのこと(配当原資が足りなくなれば、投資元本を配当に充当出来る事)を十分に理解しているか疑問だ。そして、もしこのことが分かれば、彼らは激怒するだろう」とコメントしています。
私の理解が間違っているのかもしれないのですが、投資元本と配当原資は厳格に区別しなければならず、投資元本(principal)は配当原資(dividend)に充当出来ない事が法律で定められている筈ですが、、、、。
それに、投資元本を配当に回していいなら、わざわざ投資顧問会社をつくって面倒臭いファンド設定や、それを運用するファンド マネージャーなんか要らないではありませんか?! 極め付けは、そんなタコ配OKのファンドに、わざわざ投資信託手数料払うんですか??
読者の皆様、そんな投資信託をお持ちかどうか、お手元の投資信託をご確認ください!
もし、お持ちであれば、元本が無くならないうちに早く解約すべきです!!
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
現在有料版にはお申し込みいただけませんのでご了承ください。
当社に無断で複製または転送することは、著作権の侵害にあたります。民法の損害賠償責任に問われ、著作権法第119条により罰せられますのでご注意ください。
2 comments on “Mrs ワタノ オパチュニティ”
コメントを書く
いただいたコメントは、チェックしたのち公開されますので、すぐには表示されません。
ご了承のうえ、ご利用ください。
そういった・・
基礎知識無くして・・
投資される方々・・
果報は寝て待て主義・・
世界中から・・
ワタノ オパチュニティ・・
と呼ばれる・・
救い主・・
なのでしょうねぇ・・・
毎月配当の投資信託は、たこ配らしいです。
なので、若い人が買っちゃいけない投信です。
お年寄りが年金みたいにもらって元本が
減っているのに気がつかずお亡くなりになり、
うやむやになる。。。。
そんな噂を聞いたことがあります。。。