2018/01/05 05:17 | 昨日の出来事から | コメント(0)
豪、2018年の金利見通し
昨日、豪の民間リサーチ会社が行ったアンケートによれば、2018年の豪の政策金利の見通しについて、市場参加者とエコノミストに聞き取りを行っています。
アンケートによれば、短期金利先物市場では、先月までは2018年8月までにRBAによる政策金利0.25%の引き上げの40%を織り込む水準で取引されていましたが、先月末には60%を織り込む水準で取引されています(金利は上昇し、価格が下落)。 そして、現在では2018年末までには100%織り込む水準となっています。
一方で、エコノミストたちによる2018年の豪経済の見通しは大きく割れています。基本的には、世界的な景気拡大基調の下、トランプ大統領による減税政策が成立した事によって、豪の労働市場も更に改善し、消費も上向くとの見方が大勢を占めていますが、RBAの金融政策については見方が割れています。
Goldman Sachsのチーフ エコノミストAndrew Boak氏は「今年の豪の雇用増加は顕著に表れる」とし、「我々のメインのシナリオは、世界経済はもはや現在のような低金利で留まることはない」と述べ、2018年に政策金利の2回の引き上げと、2019年に更に2回の引き上げがあると予測しています(超強気派)。
一方で、ドイツ銀行のチーフ エコノミストAdam Boyton氏は「豪の家計消費は、賃金上昇の低さから低迷しており、これまで30年間の傾向から今年は更に低下する可能性がある。 更に、金利の上昇は、住宅ローンを抱える家計にとって金利負担が直撃し、更に消費を弱める可能性がある」として、RBAにより政策金利の引き上げに懐疑的です。
また、Westpac のエコノミストElliot Clark氏も「雇用が増加する事は結構なことであるが、我々は、RBAが今年1年を通して政策金利を引き上げるとは見ていない。 というのも、現時点では、豪経済が拡大し、更に加速する傾向が見られないからである。また、現在、豪の家計は、賃金上昇が物価上昇に追いついていない。 更に、住宅建築ビームは既にピークを付けており、(住宅市場を冷やす為に)政策金利を引き上げる必要はない。」と述べています。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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