2009/10/13 05:29 | 昨日の出来事から | コメント(3)
フランスの自殺者からみた日本
連休明け早々に、暗い話題ですみません。
今週号の経済雑誌エコノミストにフランスの自殺者を特集していました。
フランスの自殺者の話題の前に、各国別の自殺者のランキングを見ますと、人口10万人につき、日本が一番多くて19人台、次にフィンランドの16人台、そしてフランスの14.6人となります。 その下では、スエーデンが11人で、ドイツとアメリカは10人台と続き、イギリスは6人で、一番少ないのはイタリアの5人台です。
今回、特集されていたフランスの自殺者14.6人は、イギリスの自殺者の2倍以上、ドイツのそれより40%も多く、特に男性の自殺者は22.8人で、女性は7.5人に比べて極端に男性の方が多いことがわかります。
また、最近の精神健康状態の調査では、(1)フランスの労働者のうち、40%近くは何らかの精神障害に苦しんでおり、(2)フランスの労働者の10%は、抗うつ剤を服用している、との結果が出ています。
雑誌エコノミストは、「フランスは、国民に対して世界でもトップレベルの満足を与えているにもかかわらず(例えば(1)世界トップクラスの医療ケアシステムを備えている、(2)長期の休暇と長時間のランチをとっている、(3)仕事は守られており、寛大な社会保障がある等)、 どうして自殺者が多いのか?」との問いに対して、その理由を「人々が自分の仕事が保障されていることに対する不確実性(不安感)」を指摘しています。 特に、フランスでは雇用者に対する信頼が32%と低いことを指摘しています。 ドイツでは雇用者に対する信頼は47%、アメリカでは54%となっており、フランスの低さが目立ちます。
そこで、日本が世界で最も自殺者の多い理由を、上のフランスの例に当てはめれば、(1)これまでの世界トップクラスだった医療ケアシステムが崩壊しつつある今、(2)世界的に短い休暇と、少ないランチタイムに加えて、(3)かつてのように終身雇用であった仕事は守られなくなり、しかも失業に対する保障も危うくなり、極めつけは、非正規雇用問題に見られるように、雇用者と労働者の間における信頼関係が壊れてしまっているからと言い換えることができます。 これでは、残念ながら日本の自殺者の減少は当面望めそうにありません。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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3 comments on “フランスの自殺者からみた日本”
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平成二十年の資料とによると、
日本では自殺の理由が最も多いのは、
健康問題 四十八%
経済・生活問題 二十三%
家庭問題 十二%
勤務問題 八%
男女問題 三%
学校問題 一%
その他 五%
となっていますね、表層的には。
特定の民族に自殺者数が多いのは、民族特有の遺伝子の問題が絡むのかも知れません。
2008年の資料
自殺者が一番多いのは
リトアニア 十万人に対し38,6
ベラルーシ 35,1
ロシア 32,2
日本は八番目ですね。
今日の世界ランキングは、正しくは、OECD加盟国30カ国のうちのランキングでした。 訂正します。