プロが語る世界情勢・政治・経済金融の最前線!

The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2009/10/09 07:09  | 昨日の出来事から |  コメント(0)

豪、 9月の失業率低下で年内に更なる公定歩合上げの公算


おはようございます。

昨日、オーストラリア統計局が発表した、9月の失業率は、前の月の5.8%から5.7%に低下しました(市場の予想は5.8%から6%へと失業率の上昇を予想していました)。 

市場では、これを大きな驚き(Big Surprise)として受け止め、株式市場は買われ、オーストラリアドルは、米ドルに対して0.90ドルを乗せてきました。 また、短期金融市場では、年内に更なる公定歩合0.25%の引き上げを95%まで織り込む水準まで金利が上昇しています。

主な内容は以下の通り。

(1) 9月の失業率は、8月の5.8%から、5.7%に低下しました。
(2) その内訳は35,400人の正規雇用の増加と5,200人のパートタイム雇用が増加しました(市場では、10,000人の失業者が増えて、失業率は6%と予想されていました)。

これを受けて、エコノミストの多くは、11月にもRBAは0.25%公定歩合を上げるのではないかとの見通しが、勢いを増しています(オーストラリア特有の極端に走る傾向がここで見受けられます。どうしてオーストラリアのエコノミストたちは、こうも右往左往するのか、私には理解に苦しむところがあります)。

一方で、今回の失業率の低下を受けて連邦財務省は、これまで「2010年には失業率が8.5%まで上昇すると」予想していましたが、これを修正する必要に迫られています。

折しも、野党から今年初めに打ち出された政府のAUD42bnにのぼる景気刺激策が、多すぎたのではないかとの非難が高まる中、2010年の失業率を下方修正する必要が出てきており、政府はその対応(景気刺激策の正当性)が求められています。 予想以上に景気が良くなってしまった「うれしい誤算」に対する口実作りとは羨ましい限りです。

クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
現在有料版にはお申し込みいただけませんのでご了承ください。

当社に無断で複製または転送することは、著作権の侵害にあたります。民法の損害賠償責任に問われ、著作権法第119条により罰せられますのでご注意ください。

コメントを書く

* が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

いただいたコメントは、チェックしたのち公開されますので、すぐには表示されません。
ご了承のうえ、ご利用ください。