2011/04/22 05:22 | 昨日の出来事から | コメント(0)
主要国の「赤字国債+借換債」のGDP対比の比較
今週号のエコノミストに、IMFが調査した2011年度と20211年度の主要国の新規赤字国債の発行と既存の国債の償還に伴う借り換え債の発行残高のGDP対比比較に関する記事がありましたので、ご紹介したいと思います。
何と言っても、世界で最もGDP対比で新規赤字国債と借り換え債の割合の高い国は、私達の日本で2011円度はGDP対比55%でしたが、2012年度は52%程度と若干低下します。 これは他の国を寄せ付けないくらいの“異常な大借金ぶり”です。
2番目がアメリカで、2011年度はGDP対比29%でしたが、2012年度は25%程度まで低下します。とはいっても、日本もアメリカも2012年度は2011年度より経済成長が見込まれる分だけ、国債の発行残高比率が低下しているだけで、借入そのものが減少しているわけではありません。 しかし、日本の場合は、今回の東日本大震災の影響でGDPは下振れする事が予想され、更に復興財源は新たな赤字国債の発行に頼らざるを得ず、2012年度が当初予想通り、GDP対比で低下するか大きな疑問が残ります。
そして、日本とアメリカに続く国が、今、世界中が注目する「ヨーロッパの問題児の一つギリシャ」が来ます。 2011年度は、財政赤字を2010年対比9.6%から2012年は6.2%まで削減させるにも関わらず、「新規赤字国債+借換債」の発行残高のGDP対比の割合は26%と、2010年の23.2%、2011年の24%から更に上昇してしまいます。 これが、偏にGDPが財政削減を上回るペースで減少している為に、結果としては財政赤字の負担が、より大きくなってしまっています。
この事が、今週の始めに、ヨーロッパで「ギリシャのリストラクチャリング(restructuring:部分的にギリシャ国債をデフォルトさせて財務全体の残高を圧縮させること)は、今や不可避である」との思惑が出て、ヨーロッパの国債が売られました。市場は、徐々に「来るべき日」に備えて織り込み始めています。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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