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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2017/06/13 06:02  | 昨日の出来事から |  コメント(0)

ビットコイン バブル?!


おはようございます。

以前にもご紹介しましたが、先週号の英誌エコノミストで再びビットコインに関する記事がありましたのでご消化したいと思います。 今回は、そのサブ タイトルに「目もくらむ現象 ~ ビットコインはチューリップか、それとも金やドル? あるいは他の何か?~」としています。

マーケットはしばしば バブルを起こす。 しかし、今回の仮想通貨である ビットコインは、あまりにも極端である。現在は今年の5月24日に付けた高値2,420ドルを下回っているが、それでも僅か2か月で2倍になっている。 もし、だれか賢い人、あるいは幸運な人がいて、2010年7月に1ビット コイン=5セントで買っていれば、今、それは4,600万ドルになっている。他の仮想通貨も同様で、仮想通貨の市場規模は80億ドル(日本円で約9兆円)にも拡大している。

こうした急上昇は持続維持するのは殆ど不可能である。今や、仮想通貨ビットコインと言う言葉は、バブル通貨ビットコインになってしまった。 しかし問題は、何がビットコインをそこまで上昇させたのかがより重要である。それは単なる投機マニアのする事であろうか。 あるいは通貨両替機能もしくは貯蓄としてより多くの機能を持った証拠であろうか。 言葉を変えるなら、ビットコインはチューリップ、金、あるいはドル、それとももっと他の何かであるのであろうか。

まず初めのケースとして、ビットコインがチューリップ以外の何物でもないと考えるとする。 これは買い手が更なる買い手を呼ぶ投機的な熱狂を指すが、最近のビットコインの熱狂ぶりはそれにしても極端である。個人投資家はお金をどんどんつぎ込んでいる。彼らの多くはビットコインだけでなく他の仮想通貨にも投資し、例えば、仮想通貨Ehereumとか、ICO(initial coin offering )と言って仮想通貨を発行する際の初期通貨(株式のようなもの)にまで投資している。

仮想通貨は、まるで詐欺師の天国である。 何故ならば、チューリップと違って、ビットコインでピザからコンピューターまで実際に買う事が出来るからである。 では、チューリップが正しい表現ではないとすれば、金はどうか。 ビットコインは確かに金を同様の機能を持っているように思われる。金の購入者は、政府や自国通貨を信用していない。 ビットコインの場合通貨、コイン発行者がいないし、ビットコインを管理する中央銀行もない。従ってビットコインの価値を決めるのは需給だけである。ビットコインは2013年後半には1,100ドルまで上昇し、その後1年で200ドル以下まで暴落したが、その後は今回のような目のくらむような高値まで急騰している。

もし、ビットコインや他の仮想通貨が、バブルでないのであるならば、それは一体何なのだろうか。一番いい比較としては、1990年代のインターネットやドット コムバブルと比較するのがいいかもしれない。インターネットと同様に、仮想通貨はイノベーションによって誕生し、その後、大きく成長している。 仮想通貨は、特定の人や銀行などの機関に頼ることなく、公のデータベース(the blockchain)によって維持管理され、更に自己検証している。例えば、グルジアではこの技術を政府の記録を守る為に使っている。このthe blockchainは将来にわたり更なる検証を行う仕組み(プラット フォーム)になっている。 例えば、Ehereumを例にとってみよう。 ICOは、ビデオ ゲームやオンライン マーケットで買いものをするためにコインを発行する為のプロジェクトに使われる。投資された個人のお金は、こうしたプロジェクトの中でのみ使われる。 こうしたICOsはその扱いに注意を必要とするが、それでも投資家を魅惑するものがある。何故ならば、彼らは、自分が投資したICO資金が巨大テクノロジー企業であるアマゾンやFacebookのような企業になることを期待しているからである。

しかし、これはイノベーションを生み出す為の危険な方法であると思われる。投資家は、もし、このアセットクラス(ICOs)でクラッシュが起こり、それが他の仮想通貨に広がると、多大な損害を被り、ひいては金融危機にもなりかねない。一方で、仮想通貨そのものについては、その損害には限界があるように思われる。 しかし仮想通貨を買っている人には、こうしたリスク(仮想通貨そのもののリスクとICOsのリスク)を良く考えて買っている人が少ない。 たしかに仮想通貨は自己免疫機能を持っているので他に伝染する事は起こらないであろう。

では、今の仮想通貨の現状が、健全なバブルと言うならば、それでも構わない。 だが、政府当局者は、こうした通貨が、麻薬などの犯罪と直結しないように監視すべきである。しかし、改めて言うが、仮想通貨に投資している人々は今一度、考え直すべきである。 特にICOsに投資している人はなおさらである。あまりにも極端にとげのように突き上がった急上昇は、バブルを突き刺すだけでなく、同時に有益なイノベーションまでも台無しにしてしまう。

クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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