2017/05/31 05:36 | 昨日の出来事から | コメント(0)
世界の商品価格動向からわかる事
先週号の英誌エコノミストに掲題に関する記事がありましたのでご紹介と思います。
今年に入ってココアの価格が2016年以来36%も急落し、1kg当たり2ドルを割り込んだ。 この背景には、生産者側の供給過剰がある。アフリカの象牙海岸の農家が世界のココアの40%を生産しているが、彼らがこの1年で生産量を20%も増やし、また隣国ナイジェリアも15%も生産を増加させた。
紅茶に関しては、乱高下が続いている。 その背景に、今年に入って東アフリカの干ばつのせいで生産が落ちたことがあり、今後も暫くは需給がひっ迫する見込みである。また、中東のアラブ人の紅茶に対する需要が増加していることも市場下支え要因となっている。
コーヒーに関しては、2016年以降は緩やかながらも堅調に推移している。背景にはブラジルとベトナムの生産高が減少したことで需給がタイトになっているからである。
このように、世界の商品市場(農業作物)の需給は非常に敏感で、少しの供給過剰でも大幅な値崩れを起こす。その一方で、天候不順や僅かな生産の落ち込みでも価格は急騰する。農作物価格を形成する需給とは実に脆弱であることを改めて思い知らされる。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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