2017/03/28 05:19 | 昨日の出来事から | コメント(0)
オージーはギャンブルが下手?!
先週号の英誌エコノミストに「The Biggest Loser」と題してオーストラリアのギャンブルに関する記事がありましたのでご紹介したいと思います。
娯楽に関するリサーチ会社H2 Gambling Capitalによれば、2016年度に世界の主要国でギャンブルによる一人当たりの損失を調べたところ、オーストラリアが990ドルとシンガポールよりも49%も多く断トツで一番でした。 2番目がシンガポール、3番目がアイルランド、そしてフィンランド、アメリカと続きます。
損失の総額としては、アメリカが断トツで1169億ドルに上り、その次はイタリアの190億ドル、そしてオーストラリアの183億ドルとなります。 国民人口が23百万人しかいないのにその損失の大きさは異常です。
その主な要因にはPokiesと言って、所謂スロット マシーンによるギャンブルの損失が半分以上を占めています。 確かにクラブやパブの横に気軽にこうしたマシーンが設置されており、主要な駅の近くには、日本でいう処のパチンコ屋のノリでこのPokies(ゲーム センター)があります。その設置台数は197,000台に上り、人口114人に1台にこのゲームマシーンがある計算になります。また、当初は、1回1ドルで賭ける気軽さもあって人気を呼びました(現在は1回10ドル)。
これに対して、一部の政治家を中心にギャンブルを規制する動きもありますが、ギャンブル業界の納税額は570億ドルと政府にとっては大きな税収源となっています。 しかもこの業態は多くの従業員を雇用しており(雇用機会の少ない豪にとっては一大産業)、無礙に規制を厳しくする訳に行かないところがあります。 更に、業界として政治家や政党に多額の資金をばら撒いており、彼らの言葉を借りれば「これらは献金であって賄賂ではない」としたたかです。
娯楽でギャンブルをする事自体、何ら問題はありませんが、問題は、ギャンブルにのめり込んでいる人の多くが古今東西を問わず所得の低い人達であり、その事が様々な社会問題を引き起こしています。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
現在有料版にはお申し込みいただけませんのでご了承ください。
当社に無断で複製または転送することは、著作権の侵害にあたります。民法の損害賠償責任に問われ、著作権法第119条により罰せられますのでご注意ください。
いただいたコメントは、チェックしたのち公開されますので、すぐには表示されません。
ご了承のうえ、ご利用ください。