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2016/12/07 05:40  | 昨日の出来事から |  コメント(0)

RBA,政策金利据え置き、第3四半期の経常赤字は30%減少


おはようございます。

昨日、RBAは定例の理事会を開催し、現行政策金利1.5%の据え置きを決定しました。 理事会後のRBA総裁
Philip Lowe氏の声明の主な内容は以下の通りです。

(1) RBAは年末から2017年初めにかけて現行の政策金利1.5%を据え置くことを決定した。 次の理事会は2017年2月7日に開催する。

(2) インフレについては、世界の中央銀行が目標としているインフレ率を下回る状態が世界的に続くであろう。しかし、最近は上昇の兆しが出てきており、将来的にはもう少しバランスの取れた水準(現在の水準より高い水準)になるであろう。

(3) 一方で、豪国内では、引き続き賃金が弱含んでおり、以前のような通常の状態に戻るには、まだ暫く時間がかかるであろう。

(4) 豪の住宅市場は豪経済に大きな影響を与えており、一部の地域では、引き続き高騰が続いているが、その他の多くの地域では下落に転じていることを認識している。また、住宅ローンそのものは若干増加しているが、中古住宅市場は1年間に比べて下落している。

これを受けてCapital Economics の豪経済担当チーフ Paul Dales氏は
(1) 全体として、RBAは中立の姿勢を示しており、以前の声明にあったように、これ以上の政策金利の引き下げの必要性を示さなかったのと同様に、近い将来に政策金利を引き下げることも示唆しなかった。

(2) 従って、2017年から2018年にかけて現在の政策金利で推移する可能性がある。 しかし、更にインフレ率が低下し、更に住宅市場が失速するようであれば、2017年後半において政策金利が1%まで低下するかもしれない。

また、この日、ABS(オーストラリア統計局)が発表した豪の2016年第3四半期の経常収支は、季節調整後で鉱山商品価格の回復を受けて、11.3bnの赤字と赤字幅が2年ぶりの水準にまで縮小しました。これは2016年第2四半期の経常赤字に比べて30%減少し、事前の市場関係者の予想であった13.5bnをも下回りました。

JP Morganのシニア エコノミストTom Kennedy氏は
(1) 経常赤字が、予想よりも少なかった事はそれほど驚きに値しない。 その理由として輸出量が増加したのではなく、取引価格が上昇した事が主な要因であるかである。

(2) 内訳としては、鉄鉱石の輸出量が2%減少し、LNGの輸出量が1%減少している。その一方で石炭価格が大きく上昇しており、これを勘案すると2016年第4四半期は、更に経常赤字は減少するであろう。

とコメントしています。

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