2010/10/14 05:21 | 昨日の出来事から | コメント(1)
トリプル高(株高、債券高、金高)の向こうに
今週の英誌エコノミストに最近の世界的なトリプル高(株高、債券高、金高)に関する記事かありましたのでご紹介したいと思います(日本では株高ではありませんので該当しません)。
一般的には、インフレ期待がある時には金が上昇し、債券価格は下落します(債券の金利(利回り)は上昇します)。しかし、最近では、アメリカやヨーロッパそして日本などの先進国の中央銀行が量的緩和政策を実施している事を背景に、トリプル高(株高、債券高、金高、ついでに原油高)といった現象が起こっています。
こうした二律背反する現象は、経済学的にどう説明されうるのでしょうか? そして、ファンドマネージャーにとってこのユートピア的に幸せ現象(保有しているもの全ての株や金や債権の価格が上昇する現象)は、将来的にはどうなるのでしょうか? 英誌エコノミストは、次の2つの考え方を紹介しています。
一つ目は、「金融危機等の異常事態が起こった後には、インフレもデフレも両方起こりうるので(何が起きてもいいように)、投資家は債券を買う一方で、そのヘッジで金を買っている、もしくは、その逆で、金を買う一方で、そのヘッジに債券を買っている」という考え方です。
もう一つは、時間軸の違いからトリプル高が起きているという考え方です。 Aviva InvestorsのPaul Abberley 氏によれば「量的緩和によって2−3年先には最終的にインフレになるが、目先的には、デフレが進行している為に、債券のファンドマネージャーは顧客をつなぎとめておくために(次の四半期のパフォーマンスの説明に困らないように)債券を買っている。 そして彼らにとっては(ファンドマネージャーにとっては)、2015年にマーケットがどうなっているかなんてどうでもいいと考えている」と説明しています。
そして、最終的なトリプル高の顛末については、RAB CapitalのDhaval Joshi氏によれば、「1980年以降に、四半期単位で金、株、債券のトリプル高と言った現象が僅かに4回しかなかった。 そして、この顛末は、全ての場合において債券が売られた(債券の金利が上昇した)」と分析しています。
つまり、過去の経験によれば、現在のトリプル高の現象の中で、最終的に売られるのは債券のようです。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
現在有料版にはお申し込みいただけませんのでご了承ください。
当社に無断で複製または転送することは、著作権の侵害にあたります。民法の損害賠償責任に問われ、著作権法第119条により罰せられますのでご注意ください。
One comment on “トリプル高(株高、債券高、金高)の向こうに”
ぺルドン にコメントする コメントをキャンセル
いただいたコメントは、チェックしたのち公開されますので、すぐには表示されません。
ご了承のうえ、ご利用ください。
エジプト脱出・・
今・・モーゼは・・シナイ山・・
十戒を彫っている・・最中なのか・?・・・