昨日、ABS(オーストラリア統計局)が発表した５月末時点の豪の求人に対する空職率は、７月の両院選挙を控えて公的機関を中心に増加し、季節調整後で前月比０．９％上昇しました。

内訳としては、公的機関が前月比４．１％増加して１６，５００人増加し、民間は０.６％増加して１５５,４００人の増加となっています。　また、前年同月比では９.６％増加しています（内訳としては、公的機関が同８.６％、民間が２６.２％の増加となっています）。

一方で、この前の四半期（２０１６年２月～５月）では、季節調整後ベースでは２．７％の増加に留まり、５月期はかなり失速していますが、これは企業経営者が雇用を増やす意向を持ちながらも採用を絞りこんでいる事が背景にあります。

CommSec のエコノミスト Savanth Sebastian氏は「季節調整ベースで求人空職率が鈍化しているのは、他の経済指標とも整合性があり（５月の失業率が変わらない５，７％であったにもかかわらず労働参加率が下落している事）、それほど驚くことではない」と指摘し、「それでも労働市場全体として、雇用環境は引き続き良好である」とコメントしています。