2016/04/26 05:20 | 昨日の出来事から | コメント(0)
英語が母国語でないことが有利なことも?!
先々週号の英誌エコノミストに掲題に関する記事がありましたのでご紹介したいと思います。
今や、英語は世界の「Default language :基本となる初期言語」と言われ、多くの世界的な企業では、社内コミュニケ―シンとして英語が使われ、自国語にこだわる続けるスイスや日本の企業でもその例外でなくなりつつある。 また、国連やEU等の世界的な機関でも同様である。
では、英語を母国語で話す人は有利か?
確かに、英語が母国語でない人にとって、英語のように外国語の中で仕事をするのはつらいし、英語で流ちょうに議論をするのも、あるいは英語で微妙なニュアンスを表現する単語や文章も容易ではない。その一方で、英語を母国語とする人は、英語を母国語としない人に対して多彩な言葉で圧倒し、挙句には冗談まで言ってその場の雰囲気を自分の有利な方向に変えてしまう。
しかし、最近、Financial TimesのMichael Skapinker氏は「英語を母国語とする人は、英語を母国語としない人が、如何に英語をうまく話をしているか、そのスキルを学ぶことが重要である」と指摘しています。つまり、英語を母国語として話さない人にも、英語を母国語で話す人に比べて有利な点がある。確かに、これらは些細なことかもしれないが、だからと言って取るに足らないという訳ではない。
例えば、他の言葉に限らず、他の文化の人との会話によって、母国語だけで会話をしている人に比べて。それまで気づかなかった障害物(問題点)や考え方の習慣や違いに気づかされることがある。 また、英語が母国でない人は、正しい単語を選びながらゆっくり話す。そのことが、その場に居合わせている人々を興奮させることなく、あるいは感情的にならないようにする。 そして、英語を母国語としない人は、英語を母国語とする人よりも、話す速度は遅いが、実は、彼ら(英語を母国語とする人)よりもより多く考えている事が多いのである。
つまり、意思決定をする際には、外国語を使って決定する方が(感情や雰囲気に流れることなく、しかも、より多く考えているので)有利なのである。 このことは、シカゴ大学のリサーチにおいても、「簡単な罠にかかり易い答えを見つけるテスト」を行った場合、英語が母国語でない人の方が、英語を母国語とする人に比べて、罠にかかることなく正しい答えを選ぶことがわかっている。
また、別のリサーチでは、2か国語を話す子供は、他の人がその人の頭の中でどう考えているかを推測する能力に優れているとの報告もある。恐らく、その子供は、他の人も自分と同様に他の言葉で考えている事を想定している為と思われる。
最後に英誌エコノミストは「確かに、外国語がうまく話せるかどうかは、その仕事を有利に出来るかどうかのカギとなるし、外国語の中で仕事をするのは大変であるが、 その一方で、外国語で話す人は、単一語(例えば英語)しか話さない人が見落としがちなことに気付く余地がある」と述べています。
15年以上外国の金融機関で働き、その後は、8年以上オーストラリアに暮らしている私としては、英語を何不自由なく話せたらどれだけいいかを身に染みて知っています。また、若い頃、つたない英語で大恥をかいてボロボロになり、夜中に目が覚めて、思わず大声で叫んで胸をかきむしるほど悔しい思いを何度もしました。今回の記事は多少の慰めとして読みましたが、やっぱり英語を何不自由なく話せるに越したことはありません。
だって、英語は世界の「Default language :基本となる初期言語」ですから、、、
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
現在有料版にはお申し込みいただけませんのでご了承ください。
当社に無断で複製または転送することは、著作権の侵害にあたります。民法の損害賠償責任に問われ、著作権法第119条により罰せられますのでご注意ください。
いただいたコメントは、チェックしたのち公開されますので、すぐには表示されません。
ご了承のうえ、ご利用ください。