2016/03/02 06:04 | 昨日の出来事から | コメント(0)
RBA、政策金利据え置き
昨日、RBAは定例理事会を開催し、現行の政策金利2%の据え置きを決定しました。これで昨年5月以来、現行政策金利を据え置き、事前の市場関係者も金利の据え置きを予想していましたので、予想通りの結果となっています。
理事会後のRBA総裁Glenn Stevens総裁の声明の主な内容は以下の通りです。
(1) 理事会メンバーは、現在も豪経済が拡大を続けている事、更には、インフレ率が目標に近い水準で推移していることから現行の政策金利を据え置くことが妥当と判断した。
(2) 我々としては、引き続き住宅市場の動向を注意深く見守り、更には、為替市場における豪ドル安の影響(輸出業者にとっては輸出を後押しする効果があるが、輸入価格の上昇懸念がある事)を注視している。
(3) 今後に関しては、引き続き堅調に推移している労働市場に関するデータ、あるいは中国をはじめとする世界経済の失速とそれに伴う国内需要の動向に関するデータによっては、更なる政策金利引き下げの用意はあるが、現在はそのような状況ではない。
(4) 低インフレは、更なる金利引き下げを支持する要因ではあるが、現行の政策金利でも借り入れ需要が十分にあり、現時点ではその必要(政策金利の引き下げの必要)はない。
また、この日、ABS(オーストラリア統計局)が発表した1月の建築着工許可件数は季節調整後で前月比7,5%減少して、17,446件でした。事前の市場関係者の予想は3%の減少でしたので予想以上に減少しています。 これによって前年同月比では15.5%の減少となり、事前の市場関係者の予想であった8.5%の減少を大きく下回りました。
内訳としては、民間の1戸建建築着工件数は前月比で6%下落し(前年同月比で3.3%の下落)、アパートなどの集合住宅の着工許可件数は10.8%減少し、前年同月比で26.7%の減少となっています。また、地域別では、NSW(ニュー サウス ウェルズ州)や、クイーンズランド州、そしてタスマニア州の落ち込みが主な要因です。
JP Morgan のエコノミストTom Kennedy氏は「今回の数字によって、豪の建築着工は2015年半ばでピークを付け、現在もその下落傾向が続いている」とし、「建築着工件数は数字が大きくブレルが、その趨勢は下落傾向にある」と指摘しています。
また、Westpac のシニアエコノミストMatthew Hassan氏も「新規建築ブームは急拡大した分だけ、その下落も深い(山高ければ谷深し)のはわかるが、ここにきて中古住宅の建築着工許可件数も失速してきている」と述べています。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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